ゴルファーであれば一度は耳にしたことのある「クラチャン」という言葉。これは「クラブチャンピオン」を略したもので、各ゴルフ場で年に1回開催される「クラブ選手権」という大会に優勝したゴルファーのことを指す。つまり、(少なくとも1年間は)そのクラブで一番うまいゴルファーになるということだ。
ほかのメンバーからは一目置かれるプレーヤーであり、競技ゴルファーであれば一度は手にしたいタイトルのひとつ。そんなクラブを代表する名誉を「100切りゴルファー」から、たった4年で獲得したゴルファーがいる。
それは兵庫県在住・松山健士郎(@kengol.kengol)さん。ベストスコア68、ハンディキャップ+2.1と相当な腕前の持ち主だ。しかし、4年前までは「100切りを目指していた」という、いわゆるアベレージゴルファーだったというのだから驚きだ。いったい、どんな練習をしたのだろうか? ゴルフを始めたキッカケから聞いた。
「一番最初にゴルフをしたのは20歳のころ。幼少期に練習場へ行った記憶があり、何回か練習場やコースに行ったことがあります。ただ、野球をやっていたこともあり、アベレージゴルファーのまま一度やめていたんです。それから5年後の25歳のころに野球をやめ、個人競技のスポーツをやってみたいと単純に思ったことがキッカケで、本格的にゴルフをやり始めました。そうしたら、いつのまにかドハマりしたんです(笑)」
20歳のときは「100切りを目指していてOB番長と呼ばれていました(笑)」というのだから驚きだ。本格的にゴルフをやろうと思っていても、たった4年でプラスハンデはもちろん、クラチャンまで上り詰めることはなかなかできない。いったい、どうしてこんなにも早く上達することができたのだろうか? それは松山さんの練習量が物語っていた。
「仕事が終わり次第練習場へ向かい、18時頃から練習しています。まずはサンドウェッジからドライバーまで一通り打ち、そのあとはひたすらショートアイアンで『狙う練習』を22時ごろまでするのが、日課です(笑)。なので、ほぼ毎日3〜4時間ほど練習。これを話すと練習量の多さにビックリされることが多いですが、仕事をしんどいと思うことはあっても、ゴルフの練習はただ楽しいから続けているだけなんですよね」
このような生活を4年も続けているのか、と驚くゴルファーは多いだろう。しかし、松山さんいわく「自分はセンスがないから、練習をやめると一気に下手になる。だから練習を続けているんです。もちろん楽しいというのも大きいですが(笑)」とのことだ。とてもセンスがないようには思えないが、努力し続けられるというのは、松山さんのひとつの才能ではないだろうか。
とはいえ、やはり独学では限界があるもの。ゴルフを再開するタイミングで仕事を通じて知り合ったゴルファーに数回アドバイスをもらったことがあるそうだ。それが「クラブを上げたルートを通ってクラブを下す」というとてもシンプルなもの。これだけを意識して何年も、反復していたというのだから、すごい!
「僕は器用じゃないので、教えてもらっていないことは基本的にできないと考えています。だから『クラブを上げたルートを通ってクラブを下す』ことだけを意識して、そう振るためにはどうしたらいいか?とつねに考えながら練習しています。複数箇所意識するのも難しいですし、できるだけシンプルにしたほうが上達も速いと思ったんですよね」
こうして、ゴルフ漬けの生活を続けた松山さんは昨年、クラブ選手権で優勝。「クラチャン」まで上り詰めることができた。では、最後に今後の目標について聞いてみると、「もちろん、クラチャン2連覇をしたいです!」と即答だ。
今年のクラブ選手権は10月開催予定。松山さんは2連覇達成することができるのだろうか? 活躍を楽しみにしたい。