早いもので、今季の国内女子ツアーも残り10試合。賞金女王争いが気になる時期となってきた。2022年シーズンの賞金女王はほぼ4人に絞られてきた感がある。現在の賞金ランキングTOP4である山下美夢有、稲見萌寧、西郷真央、西村優菜の4選手だ。
彼女らに続くのは、吉田優利(5位)、勝みなみ(6位)、小祝さくら(7位)といずれも実力のある選手たちだが、すでに上位陣とは小さくない差があり、もし逆転するなら複数回の優勝が必須になるだろう。
今季、大きく躍進したのが現在賞金ランキング、メルセデス・ランキングともトップの山下美夢有だ。序盤は3試合連続予選落ちもあったが、「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」で優勝以来、安定して上位に入っている。
「宮里藍サントリーレディスオープン」優勝からは、なんと11試合連続でベスト10に入るという離れ業だ。現在、パーオン率はツアー2位というショットメーカーで、平均パット数は8位、リカバリー率は3位と弱点のないオールラウンダー。現時点では、賞金女王の最有力候補であり、意外と早い段階で、初の女王戴冠を決めてしまう可能性もあるだろう。
2020−2021シーズンに9勝を挙げて、見事に賞金女王となった稲見萌寧。昨年の強さの印象が強烈のため、今季はいまいち調子が出ていない印象を受けるが、それでも賞金ランキング2位につけ、自力に勝るところを見せている。
ショットメーカーらしく、パーオン率は圧巻のツアー1位。平均ストロークは山下に継いで2位につけている。今季はやや勝運に恵まれていない印象だが、シーズン序盤と比較すると調子をあげてきており、これから複数回優勝も十分可能な実力者だ。ストップ山下の最右翼だろう。
序盤の10試合でなんと5勝をあげ、2022年シーズンをリードしたのが西郷真央。海外の試合にも積極的に参加したこともあり、20試合以上出場しているほかの上位選手と比較して、16試合と出場試合自体が少ないのは獲得賞金という点では不利になるだろう。ショット精度を武器に安定した戦いを続けているが、平均パット数がツアー27位と、ややウイークポイントになっているのが気になるところだ。
同じく、序盤戦で毎週のように優勝争いを演じ、2勝をあげている西村優菜も有力候補だ。逆転賞金女王のためには、複数回の優勝が欲しいところ。それほど飛距離の出る選手ではなく、そのためかパーオン率はツアー25位。ショットメーカー揃いの上位選手と戦うには、得意のショートゲームの冴えが不可欠になる。
数年前に上位を席巻していた韓国勢が上位から姿を消し、渋野日向子、古江彩佳など本来であれば賞金女王争いに加わりそうな選手が海外挑戦していることもあり、2022年シーズンは20代前半のフレッシュな選手が一気に台頭した。この傾向は残り試合でも続くだろう。彼女ら若い選手たちの活躍も賞金女王争いの鍵を握りそうだ。