週刊ゴルフダイジェストで連載中の漫画「オーイ! とんぼ」。現実のゴルフの技術や理論に則った描写が好評の同漫画で紹介されていた、「ギリギリ切れるかどうかというスライスラインでのショートパット」でオススメの打ち方を、シングルハンディの腕前を持つイラストレーターの野村タケオが実際に試してみた。

みなさんこんにちは。ゴルフバカイラストレーターの野村タケオです。何度も書いていますが、週刊ゴルフダイジェストで連載中のマンガ「オーイ! とんぼ」が面白いです。最近はプロの試合に出場して戦っているので、毎週ドキドキしながら読んでいます。

そしてこの「とんぼ」で僕がいつも注目しているのが、マンガのなかに出てくる技。とんぼちゃんみたいにボールを曲げたりとかってのは真似できませんが、アプローチやパットのちょっとしたコツとかってのはけっこう参考になるんです。

週刊ゴルフダイジェスト10/4号の「とんぼ」にパットに関するちょっとしたヒントが描かれていました。これがラウンドでかなり役に立ちそうな感じだったので、コースで試してみました!

画像: 週刊ゴルフダイジェストで連載中のゴルフ漫画「オーイ! とんぼ」で紹介されていた、切れるか切れないか微妙なスライスラインでのショートパットの打ち方を実践!

週刊ゴルフダイジェストで連載中のゴルフ漫画「オーイ! とんぼ」で紹介されていた、切れるか切れないか微妙なスライスラインでのショートパットの打ち方を実践!

今回「とんぼ」に載っていたのは、ショートパットで切れるか切れないかのスライスラインの打ち方。いや~そういうシチュエーションってありますよね。そういうときにどう打つか? マンガの中では二子女プロが「左内側にジャストタッチ」で打つと言っています。まったく切れなくても入るし、ちょっと切れても入るからということです。そして原プロは「強めのタッチでカップのど真ん中狙い」で打つと。切れる前にカップに入れちゃえ! ってことです。僕はどちらかと言うと前者で、左カップ狙いで切れても切れなくても入るように打ちますね。

でもね、それってかなり微妙なコントロールが必要だし、少しでもフェースが開いたりして右に打ち出してしまうと入らないんですよ。本当に僕はこの短いスライスラインってのが苦手……。

では、とんぼちゃんはどう打ったのか? フェースの向きはカップのセンターに構えて、ボールはフェースのヒール側にセットしてそのまま真っすぐ打ったんです。なぜそんな打ち方をしたのでしょうか?

まずこのシチュエーションだと、右に切れるか切れないかってことは、切れるとしたら右ってことになります。なので、ほんのわずかに引っかけることはOKで、逆にわずかでも右に押し出すのはNGってことになります。ヒールで打てば、フェースはわずかにかぶるので、押し出しは確実に防げるし、ほんのわずか引っかかる確率は高くなるということ。なるほどな~と思うわけですが、実際にそんなに上手くいくものなのでしょうか?

画像: パターのヒール側にボールをセットして打ちます

パターのヒール側にボールをセットして打ちます

さっそくやってみました。思い切ってかなりヒールにボールを置いてみましたが、まあまあの違和感ですね。ヒールにボールを置いて、フェースはカップセンターに向け、まっすぐ打ち出すようにストロークするわけです。

普段とは違うゴツっとした打感で、ボールはほぼ真っすぐ打ち出されました。たしかにこれだとインパクトしたときにフェースが右に向くことはなさそう。右に押し出すミスはなくなりそうです。少しフェースが閉じるという感覚はないですが、右に出ないという安心感はあるかも。

画像: ヒールでインパクトすると(左)ほんの少しだけフェースは閉じるので(右)、右に押し出すミスは出なくなる(写真では少しおおげさにフェースが左を向くようにしています)

ヒールでインパクトすると(左)ほんの少しだけフェースは閉じるので(右)、右に押し出すミスは出なくなる(写真では少しおおげさにフェースが左を向くようにしています)

マンガの中では、ヒールヒットをしてもフェースが閉じる度合いは微細なので、ギリギリ切れるかどうかというラインに最適と描かれていました。ただ、僕は下りの短いスライスラインというのがとても苦手で、どうしてもインパクトでフェースが開いてカップ右に弱々しく外してしまうことが多いんです。なので、個人的には微妙な曲がるか曲がらないかってライン以外でも、右に押し出したくないショートパットでこの打ち方ができればありがたいな~と思うわけです。

画像: フェース面はカップセンターに向け、ボールはヒールに置き、そのまま真っすぐカップに向けてストロークする

フェース面はカップセンターに向け、ボールはヒールに置き、そのまま真っすぐカップに向けてストロークする

ってことで、ボール2個ぶんくらい右に曲がるラインでヒールヒットをやってみました。結論としてこれは「アリ」ですね。僕が一番嫌な、右に出る弱々しい球が出にくくなります。インパクト前にフェースが開いてしまっては意味がないのですが、真っすぐ目標方向にストロークさえできれば、インパクトのときにフェースが開くことはありません。あまり長いパットでヒールヒットをやると距離感が合わなくなると思いますが、ショートパットではかなり使えそう。これはおすすめです!

逆にトウヒットでのパットもやってみました。これはヒールヒットの逆なので、引っかかりにくくなるんじゃないでしょうか。もしそうならフックラインのときに良さそう。

画像: フェースのトウ側にボールを置いて試してみました

フェースのトウ側にボールを置いて試してみました

実際にやってみましたが、これもなかなか使えそうな感じがします。ただ、これはあまりトウ側に置きすぎると、インパクトの衝撃でフェースが開きすぎてしまうことがあるので、センターよりもちょいトウ側くらいに置くのが良さそう。当たり負けしないようにと考えすぎると、逆にフェースをターンさせる動きをしてしまったりして引っかかることもあるので注意が必要ですね。ヒールヒットよりもトウヒットのほうがちょっと難しいかもしれないですね。

でも真っすぐ目標に向かってストロークできれば左に行くミスにはなりにくいので、気持ち悪いフックラインとかでは効果があるかも。引っ掛けに悩んでいる人はやってみる価値があるかもしれません。

画像: フェース面はカップセンターに向け、ボールはトウ側に置いて打ってみました

フェース面はカップセンターに向け、ボールはトウ側に置いて打ってみました

ヒールヒット、トウヒットともに注意することは、とんぼちゃんや僕のように操作性の高いパターを使っている場合と、慣性モーメントの高い大型マレットを使っている人では効果が違うかもということ。もともと大型マレットはオフセンターヒットに強く作られているので、この打ち方の効果は少ないかもしれません。自分のパターやストロークで、どこでヒットすればどういう球が出やすいのかを練習グリーンで確認しておくと良いと思います。

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