まずは「TSR2」。タイトリストらしい精悍で艶やかなブラックのヘッド、前作の「TSi2」に比べてヘッド形状はずいぶん変わりましたね。ソールのデザインも空力を考慮したシンプルでカッコいいデザインです。後方に長いシェイプが特長だった「TSi2」に比べて「TSi3」に近い感じになりました。操作性を求めたい方にも受け入れられやすい美しいヘッドだと思います。
さっそく打ってみました。打感がずいぶん変わりましたね。打球音がおとなしくなり、手に伝わる打球感は柔らかく感じます。フェース素材は従来のATIチタンとは異なる新型プレミアムチタン素材とのことですが「TSi2」のやや金属的な弾く感じに比べてボールがフェースに乗る感じもあります。絶妙な弾き感がいいですね。
実際に弾道を計測しながら「TSi2」と比較して検証してみました。打ち出し角度は「TSR2」の方がやや低めです。
ボールのつかまりは試打した純正シャフト「TSP111」が比較的先端部が動くシャフトなのでどちらのヘッドもつかまりはよく、ドローボールが打ちやすい印象ですが、「TSR2」のほうが高慣性モーメントながら操作性もよくて振り抜きやすく感じます。
バックスピン量は「TSR2」のほうが少なく、私の場合で平均で約500rpm少なかったです。2000rpmを下回る数値も出ました。ボールスピードは平均して「TSR2」が速いですね。
気になるトータル飛距離ですが、最高飛距離は「TSR2」で平均飛距離も「TSR2」が約6ヤード飛飛びました。「TSR2」の広くなったフェースの反発エリアの恩恵がありミスヒットになりにくかったのも飛距離が出た要因だと思います。正直比較テストする前はデータの数値はそれほど違わないのでは?と思っていましたが前作「TSi2」を上回りましたね。
「TSR2」はプロ・アスリートゴルファーモデルながら上級者だけてなく、アマチュアゴルファーでもロフトやシャフトスペックさえ間違わなければ新しく進化した性能を十分に体感できると思います。ロフトバリエーションも豊富なので、カッコいいプロモデルのヘッドでプレーしたいけど今よりも機能的に少しやさしさも感じられるヘッドにしたいと考えているアスリートゴルファーの方、プロモデルのヘッドに憧れているいるけど手を出しにくかったという方にも試して欲しいドライバーです。
続いて「TSR3」です。USPGAツアー使用率ナンバー1ドライバー「TSi3」の後継モデル。試合でツアープロがすぐにスイッチして話題になりましたが、ツアープロがすぐに換えても違和感がないほど形状的に大きな変化はないように思えます。ソールデザインは「TSR2」同様スッキリした印象です。さっそく打ってみました。
「TSi3」に比べてフェースの弾き感がありますね。けして硬い感じのものではありません。高いコントロール性能を継承していますので、今まで通りドローやフェードの打ち分けもしやすいですね。
実際に測定器を使い「TSi3」と「TSR3」を打ち比べて検証してみました。打ち出し角度は「TSR3」がやや低めです。テストクラブはどちらもロフト9度でしたが、データは「TSi3」よりも約1度低くなりました。ボールのつかまりは悪くなく、スリーブ機能のを活用すれば、思い通りの弾道になるでしょう。
バックスピン量は明らかに「TSR3」のほうがロースピンです。ヘッドスピード43m/sの私の場合は適性値の「TSi3」よりも500rpm~600rpmほど少なくなりました。装着するシャフトによってはかなりロースピンになるでしょう。ボールスピードは体感的には弾き感のある「TSR3」のほうが速く感じましたが、「TSR2」の時ほど大きな差は出ませんでした。
使用プロの要望に応えて確実にロースピンヘッドに進化した「TSR3」のパフォーマンスを最大限生かすにはアマチュアでも技術的に高く、ヘッドスピードがある方のほうがいいでしょうね。「TSi3」の操作性はそのままにバックスピンを抑え、さらなる飛距離アップを体感でき、ヘッドの進化を感じられることでしょう。
いっぽうアマチュアでヘッドスピードが速くない人の場合はヘッドのパフォーマンスを生かしきれず、飛距離的にメリットが出ない場合もあります。アマチュアゴルファーが「TSR3」を選ぶ際には、まず「TSR2」を打ってからでいいと思います。とくにロフト選びとシャフト選びは重要でオーバースペックになりすぎないように最適なスペックを選ぶようにして下さい。
バックスピンが抑えられ、より強い弾道になった「TSR3」。「TSi3」との比較試打はロフト9度、 A-1ポジション、シャフト・TSP111、フレックスSでおこなった