テーラーメイドが今秋新たに送り出す「ステルスグローレ」シリーズ。「やさしさは飛びやすさ」をコンセプトに、日本のゴルファー向けの開発されており、アイアンに関しては7番で27度とストロングロフト設計のいわゆる飛び系に分類されるモデルだ。
中空構造を採用しており、フェース下部でのミスヒット時のスピン量増加、ボール初速のロスを防ぐ溝「貫通型スピードポケット」や、バックキャビティ上部がくり抜かれたボディに別パーツで蓋をする「キャップバクデザイン」、そしてトウ側の金属約10グラムを削減し、余剰重量を別箇所に配分する「トウラップテクノロジー」はステルスアイアンから続投。
「ステルスグローレ」では、余剰重量をヘッド内部に搭載されたタングステンウェートに置き換えることでさらに低重心設計にしつつ寛容性も高めている。また、フェースの素材にはクロモリ鋼を採用。フェース最下部まで厚みを薄くすることでボール初速アップを図っており、スイートエリアも番手別に設計しているという。
もちろん見た目についても「グローレらしい、やさしい形状になっています」とプロゴルファー・堀口宜篤は言う。
「ヘッドサイズは大きめ、トップブレードも少し厚めでアドレスしたときに非常に安心感がありますね。オフセットも少しあってつかまりやすそうなイメージです。やさしいアイアンと聞いたときに想像するシェイプよりもスッキリしていて、ボテッとしているなとは感じないギリギリのところにあると感じますね」(堀口、以下同)
では実際に打ってみるとどうだろう。7番のヘッドに日本シャフト「N.S.プロ950GH neo」のSフレックスを組み合わせたモデルで堀口に試打を行ってもらった。結果の平均値とインプレッションは以下の通りだ。
【堀口のステルスグローレ(7番)の試打結果】
HS38m/s キャリー178Y トータル192Y 打ち出し角15.9度 ボール初速54.1m/s スピン量4385rpm
「今までの飛び系って球の強さが際立っていましたが『ステルスグローレ』を打ってみると弾道の高さが出つつ飛距離性能もしっかりあると感じました。またつかまりもよく、フェースを開いて打ってみても逃げていきませんでしたね。打感は、フェースにクロモリを採用していることもあって少し弾きますが、打っていて心地が悪い感じはしませんでした」
ストロングロフトの飛び系アイアンでも高さが出るのは「低重心化がしっかりなされているから」だと堀口は評価。「ホーゼルも構えたとき見えない位置を削ぎ落していたりと、徹底されているのがわかります」という。
「また、ソールが少し幅広なのもやさしいポイントですね。アイアンなのでダウンブローで打つのが基本ではありますが、ソールがしっかり滑ってくれるので払って打ってもしっかり飛距離が出ます。総評すると、グローレシリーズの前作にあたる『SIMグローレ』から少し飛び系の色が強くなった印象で、やさしく飛ばしたいというゴルファーにはオススメできる一本と言えます。加えて高さもしっかり出ますからね。振ったらそのぶんだけ飛んでくれる感触がありますよ」
協力/PGST