注目組が多く、どの組に付いて歩くか迷いながら見ているギャラリーが多かったように感じました。早い7時30分スタートの上田桃子、原英莉花、山下美夢有選手の組は多くのギャラリーを引き連れ、遅いスタートでは11時35分の前年覇者・勝みなみ、西郷真央、馬場咲希選手の組に注目が集まりました。
ツアー史上最長距離でフェアフェイの幅はあるものの外すと深いラフ、そして12フィートの速いグリーンが選手を苦しめます。初日は53位タイが3オーバーと明日も同じような難易度のピン位置が続けば、予選通過のカットラインは5オーバーや6オーバーになりそうな雰囲気です。そんな中、早いスタートで出た小祝さくら選手は、ドライバーがフェアフェイを捉えたことでリズムをつかみ4アンダーで上々の滑り出しになりました。やはりこのセッティングにはフェアフェイキープが上位進出の条件になっています。
注目の勝みなみ、西郷真央、馬場咲希選手の組のスタートを待っていると、ティーイングエリアでJGAから馬場選手に全米女子アマ優勝の表彰がおこなわれ、同じ全米女子アマを制したことのある服部道子プロから記念品を贈呈されるとギャラリーからも大きな拍手が湧きました。
そのままスタートホールからついて歩くと、2週前に「住友生命レディス東海クラシック」で見た馬場選手とは別人のようなゴルフを見せてくれました。前半9ホールでドライバーは、フェアフェイキープ100%、セカンドショットはピン方向に飛ばして攻めます。グリーンの硬さのせいでオーバーするシーンもありましたがアプローチを寄せてパーで切り抜けると、7番パー5でバーディを奪い1アンダーでターン。後半10番からの3ホールはピンに近くバーディチャンスにつけ続けますが、これが入らずに流れが悪くなります。14番はティーショットを曲げ3オン2パット、15番は3パットで連続ボギーとしますが難しい上がり3ホールをしっかりとパーで切り抜け1オーバー22位タイでホールアウトしました。
ラウンド後の会見でスタートホールから「緊張で足が震えてました」と話しましたが、素晴らしいプレーでギャラリーを魅了していました。特筆すべき点は16番からの上がり3ホールをパープレーで切り抜けたこと。これ以上落としたくない気持ちから切り替え、ドライバーをしっかりと振り抜き、クラッチパットを決める強さを見せてくれました。19歳のルーキーの活躍が続きましたが、すぐ後には17歳の馬場選手が続くことでしょう。
同組のディフェンディングチャンピオン勝みなみ選手は2オーバーまで落としましたが10番から3連続バーディで盛り返しトータルイーブンパー9位タイで終えるところは、さすがの一言。慌てずにプレーする姿に若くしてベテランの雰囲気が漂います。
ここのところ調子を落としている西郷選手は、本来フェードヒッターですがドローして左のラフに入れるシーンが目立ちました。途中からドライバーを使わずにティーショットで3Wを使い、得意のアイアンショットでスコアメイクしながら何とか3オーバーで終えています。三脚を立てスマホで動画を撮りスウィングチェックする姿を練習場でよく見かけていましたので、もうすぐきっかけをつかめるのではないでしょうか。
山下美夢有選手はパットに苦しみながらも1アンダーで終え、アテスト後練習グリーンで入念に練習していましたので明日以降パッティング次第で上位に上がって来ることでしょう。西村優菜、川崎春花、上田桃子選手らはパープレー9位タイ、稲見萌寧選手は1オーバー22位タイとなっています。
技術とメンタル、体力の総合力が試される「日本女子オープン」の二日目も現地からお届けします。