試合とは別に、バンテリン東海クラシックのもうひとつの楽しみといえば、3日目ラウンド終了後におこなわれる毎年恒例のドライビングコンテスト。飛距離300ヤードが当たり前になった今、どんな記録が出るのか? また、男子のドラコン大会が行われる試合は他にないため、飛ばし自慢の8人による“ガチ”の飛ばし合いを、大勢のギャラリーが見守った。
大本命は、現在ドライビングディスタンストップの河本力。その飛距離は、なんと平均326.5ヤード。2位の竹内廉(306.7ヤード)に20ヤードの差をつける飛ばしっぷりで圧倒的な力を見せている。現状、ツアーではもはや敵なしの状態だが、それに待ったをかけるのは、このドライビングコンテスト3連覇がかかるチャン・キムだ。昨年の賞金王であり、飛ばし屋としても知られるが、中日クラウンズ以来の日本ツアーということで、ドライビングディスタンスのランキングには入っていない。果たして、河本とチャン・キム、実際どちらが飛ぶのか? 緊張感が高まった中、ドラコンがおこなわれた。
ルールは単純。ひとり2球打ち、より飛んだほうを記録として採用。フェアウェイだけでなく、ラフでもローピング内であれば計測対象となる。
まず実力を見せたのは、2番目に登場した若手のホープ、岩﨑亜久竜。1球目に330.2ヤードの記録を残し後続にプレッシャーをかける。その後、昨年2位の亀代順哉は力んで記録なし、本線を予選落ちしてドラコンのためだけに会場へ来た星野陸也はラフに泣き324.9ヤード。アメリカ帰りの飛ばし屋幡地隆寛も芯でとらえることができず記録は315ヤードにとどまった。
各選手、本来の実力を出せないまま、残りは河本とチャン・キムの2人。先に登場した河本は打つ前「みなさんが見たことのない数字を出してみせます!」と400ヤードを宣言したが、打球は2球とも左の林へ……。「めっちゃ悔しい。力が入りました。力んじゃダメだということが改めてわかりましたね。周りの『普通にやったら河本が勝つだろ』みたいな雰囲気もわかっていたので……それがプレッシャーになりましたね」と記録なしを悔やんだ。
最後はチャン・キム。その2球目。強い西日でティーイングエリアからは打球が見にくかったが、それでも、誰が見てもフェアウェイど真ん中とわかる、誰が見てももっとも飛んでいるとわかる弾道を放った。記録は、348.9ヤードで文句なし。ドライビングコンテスト3連覇を達成した。
チャン・キムの優勝で幕を閉じたが、出場したほとんどの選手が300ヤードを楽々超え、ギャラリーは大いに沸いた。年々レベルが上がっている“飛ばし合い”。来年はどんな記録が出るのか、今から楽しみだ!
【参加者の記録】
1位 チャン・キム 348.9ヤード
2位 岩﨑亜久竜 330.2ヤード
3位 星野陸也 324.9ヤード
4位 清水大成 319ヤード
5位 幡地隆寛 315ヤード
6位 塚田陽亮 305.1ヤード
記録なし 亀代順哉、河本力