ラフや芝が薄かったり、地面が硬いなど林からの脱出でのライの状態は決してよろしくない。木の枝よりも低く打ち出さなくてはならないし、少しは転がって欲しいものの転がり過ぎてフェアウェイを通り越して、反対側のラフにまで行ってしまうこともありがちだ。
プロゴルファーでTPIレベル3、タイトリストフィッティングスペシャリスト、トラックマンマスターという3つの肩書きをもつ“三刀流プロ”・小島慶太にトラックマンを使って試打し、データを解読。4番アイアンと7番アイアンで低くチョンと出す50ヤードショットのデータを解析し打ち方のポイントを教えてもらった。
「まずロフト23度の4番アイアンで打ったデータを見てみると、インパクト時のロフト(ダイナミックロフト)21.8度で入射角は0.3度ダウンブロー、インパクト時のロフト(ダイナミックロフト)21.8度。そのためヘッドの最下点(ローポイント)は0.7B(Bはビフォー)とほぼ最下点で打っています」(小島慶太プロ、以下同)
データを見ると30ヤードのキャリーで20ヤード転がってトータル50ヤード。結果として悪くはないが4番アイアンを使う難しさが表れていると小島プロ。
「4番アイアンはクラブの長さが長いためにハンドファーストで打ちにくくローポイント(クラブの最下点)が手前になりやすいことがデータから見て取れます。そのためライの影響を受けやすくなってしまいます」(画像A)
続いて7番アイアンのちょい出しショットを見てみよう。
「7番アイアンの場合は、入射角が2.5度ダウンブローで入ったためインパクト時のロフト22.8度と4番アイアンと比べてもほぼ同じになっています。それとローポイントも5.7A(Aはアフター)とクラブの最下点は5.7センチボールよりも先になっています」(画像B)
4番に比べて長さの短い7番アイアンで打つことで入射角をダウンブローに入れやすく、ボールに直接コンタクトできることが大きなメリットになると小島は続ける。
「林の中は日陰になるため芝や草も生えにくく芝が薄かったりベアグランドが多いので、ハンドファーストで打って入射角を確保したいところ。7番アイアンのロフトを立てて打つことで4番アイアンと同じダイナミックロフトでインパクトでき、低く打ち出せます。多少のラフなら転がって前に進むので脱出しやすくなりますね」
ミスを減らすポイントは、ボールを右足前に置きやや左足体重で構え小さい振り幅で打つこと。ラフが深かったり高さが出ても問題ない場合は8番や9番アイアンを使って同じように打つこともできる。
取材協力/ゴルフアップ