ピンのパターはこれまで「シグマ」や「ボルト」などの大きな枠組みの中で形状の違うラインナップが用意されていましたが、前作の「2021」から発売年を冠にするスタイルに変わっています。今回の「2023」では形状だけでなく素材も異なるモデルをラインナップしている点にも注目です。
大きく分けて、ステンレス素材をフェース面に採用したモデルの形状違いと、フェースインサートを採用したモデルが存在し、「アンサー」や「アンサー2D」のようなクランクネックモデルに限りますが、料金の差額なしでカーボンシャフトも選べます。カーボンシャフトはスチールシャフトよりも肉厚が厚いことと10グラム軽いことで、人によって感じ方は違いますが、打感の柔らかさや球の転がりに違いが出るのでフィッティングの幅が広がるメリットがあります。
弾き感があって球の転がりの良いステンレスモデルは、トップブレードのシルバーとブラックのフランジ部のコントラストによりアライメントが取りやすい点が特徴がです。それに対してフェースインサートを採用したモデルは、ブラックのフォルムと絶妙な打感が特徴的です。ここでは8つのモデルを見てみましょう。
画像Aのステンレスフェースモデルに共通するのは狙ったラインに対してスクェアに構えやすいこととステンレス素材のフェースに浅い溝がミーリングされていることで弾き感と転がりの良さを感じること。左からアンサー、「DS72」、「プライムタイン4」、「DS72 センター」となりますが2番目の「DS72」はツアープロの要求に応えてカスタマイズされたパターPLD(パッティングラボデザイン)でデザインされた形状でPLDの「DS72」は渋野日向子選手が投入していますね。「プライムタイン4」は大きさがややコンパクトでツノ型マレットに操作性をプラスした印象。
続いてブラックのフォルムのフェースインサートモデルは左から「アンサー2D」、「タインG」、「マンディー」、「トムキャット14」(画像B)。このフェースインサートと2021のインサートよりも硬く、例えるなら初代ホワイトホットのような感触です。適度な硬さと弾き過ぎない転がりを感じました。
「タインG」や「マンディー」、「トムキャット」はターゲットに対してスクェアに構える構えやすさは抜群で、オートマチックなストローク感もあるのでショートパットが苦手な人には特におススメできそうです。
「アンサー2D」はブレードタイプでありながらフランジ部を広げたことで座りの良さと構えやすさを両立していて一番気に入りました。トニー・フィナウからのフランジ部を広げてくれとう要望に応えたモデルだと聞きましたが、インサートには溝はなくヒールとトゥ側にタングステンのウェートを装着し慣性モーメントを増大させ、アンサーに比べると少しマレットに近い安定感がありました。
引っかける、プッシュする、ショートする、オーバーする、狙った方向に構えられないなどパッティングにおけるクセや悩みは千差万別。そこに2023は10モデルをラインナップした理由があるようです。10モデルが個性を持っているので自分のクセを伸ばしてくれたり補ってくれるモデルになる1本が見つかりそうです。私は重量がある方が好きなので「アンサー2D」のスチールシャフトモデルをオーダーしちゃいました。