最後まで優勝を争った小祝、菅沼菜々、永井花奈、西郷真央はともに11アンダーで終盤を迎えた。最終組の2つ前を回る西郷は18番パー5で3メートルのバーディチャンスを逃し、11アンダーのままフィニッシュ。15、16番の連続バーディで追い上げてきた次の組の永井も最終ホールで2.5メートルを決めきれなかった。そんななか、小祝は17番で7メートルを沈めてバーディとし、ここで1打リード。18番では菅沼、小祝ともチャンスを生かせず、そのまま1打差での決着となった。西郷と菅沼は揃って11番パー5で奪ったのが最後のバーディ。若い2人は勝負所でのパッティングに苦しみ、優勝を逃す結果となってしまった。
小祝のこれまでの優勝は3月2回、5月1回、8月2回、9月1回。疲れとは無縁のイメージがある鉄人も、シーズン終盤の優勝はなかった。9月の1勝もコロナ禍で前半戦のほとんどの試合が中止になった2020年に挙げたもので、シーズンとしてはまだ4試合目だった。優勝会見で小祝は「昨季までは後半戦になると体重が落ちてしまったり、疲れはあったと思います。今季は何週間か前からトレーニングをしっかりするようにして体力維持ができています。トレーニングをして疲れが抜けるわけではないですが、体幹がしっかりしてショットのブレも少なくなっている」と好調の要因を自ら解説。今季は残り7試合。本人が明確に手ごたえを感じているだけにさらに遅い時期の優勝も十分に期待が持てる。
次戦の「富士通レディース」からはアマ時代を含めた全7勝のうち6勝が10月以降(残る1勝は9月)という最強の“秋女”古江彩佳が7月以来となる国内ツアーに参戦。その後は直近の3勝がいずれも10月以降の渋野日向子も国内ツアーに出場する予定となっている。連続トップ10は13試合でストップしたものの、シーズンを通して好調をキープしている山下美夢有、今大会で復調気配を見せた今季の“春女”西郷、今季何度も優勝争いを演じている吉田優利、菅沼ら、国内組にも“秋女”ナンバー1候補は揃っている。そのなかで小祝がどこまで存在感を示せるのか、国内女子ツアーは最後まで楽しみな戦いが続きそうだ。