「みんなのゴルフダイジェスト」取材班(以下、みんゴル取材班)の一員としてPGAツアー「ZOZOチャンピオンシップ」にやってきた小島慶太プロ。まずは朝の練習場で選手の了解を得たうえで弾道計測器「トラックマン」でデータを取らせてもらうところからスタート。(このデータをもとにしたスウィング解説は後日記事にする予定になっているのでお楽しみに)
それでは小島のレポートに戻そう。朝の練習場の様子を見た小島は世界中を転戦するPGAツアー選手たちが試合に入るルーティンを大切にしていることを感じたという。
「世界中を転戦する中で、気候の変化に対する対応力の高さというか、その国の空気に体を慣らすことから始めているように感じました。日曜日までラスベガスでの試合を終えて、月曜日に入国して火曜から練習開始という選手もいますので、体をほぐしたり、整えるようなドリルをおこなったりという姿が見られました」(小島慶太プロ、以下同)
弾道を追尾できるレーダー式のトラックマンやインパクト解析に強みをもつカメラ式の「GC4」といった弾道計測器を持参している選手が多かったが、そのなかで「トラックマン」を使うトミー・フリートウッドがどんな調整をしているのか教えてくれた。
「トミー・フリートウッドはトラックマンを使って気温や気圧によってボールの飛び方がどれくらい変わるのかを毎試合計測しているそうです。その基準となる番手ごとの距離がヤーデージブックに書いてあって、ここで計測したデータと見比べてキャリーがどう変わるのかチェックしていましたね」
会場となる習志野CCの天気予報をみると、今日は24度と汗ばむくらいの秋晴れだが、明日以降木曜日までは下り坂で17度と低くなり、金、土、日と回復し24度程度まで上がる予報なので、距離感をつかむために「トラックマン」の出番はまだまだありそうだ。
7月の全英オープンを4位タイで終えたビクトル・ホブランは、ヘッドスピードを計測しながら素振り用の練習器具を思い切り振って”マン振り”のトレーニングで体を整える姿も見られた。
ZOZOチャンピオンシップは過去2度観戦はあるものの練習ラウンドを見学するのは初めての小島は、コリン・モリカワとビクトル・ホブランの練習ラウンドについて9ホールを歩いた。
「二人とも練習ラウンドというよりは本番さながらのプレーをしていましたね。よほどのミスショットやティーショットのターゲットをミスしたとき以外は1球でプレーし、グリーン周りとグリーン上はとくに入念にチェックしていました」
「試合に出場する以上勝つためにここにいる」と語ったことのあるコリン・モリカワは練習ラウンドから本気モードでカップインするまで1打1打丁寧にプレー。ビクトル・ホブランも、池越えの左ドッグレッグの6番パー5でティーショットを3W、2打目も3Wでグリーンをとらえ、イーグルを奪う本気モードを見せる。
「二人ともインパクトの圧が高くて飛んでいくボールに余裕があります。それと弾道の高さは本当に高いですね。高さを出すと距離感は出しにくくなりますが、グリーンにソフトに降りてくる高さのある弾道で距離感を合わせてくるところは、普段から厳しいセッティングでプレーしているからなのでしょう」
ザンダー・シャウフェレ、リッキー・ファウラー、全英オープンで2位に入ったキャメロン・ヤングといった実力派のプレーヤーと日本からはディフェンディングチャンピオンの松山英樹に、若手成長株の岩崎亜久竜、大西魁斗、河本力、桂川有人、久常涼、プロ転向した中島啓太、そしてPGAツアーで頑張っている小平智、昨年7位タイに入った金谷拓実らも着々と準備を進めている。
「個人的には7079ヤード・パー70とPGAツアーのセッティングで海外での活躍を夢見る若手の日本選手がどう戦うのかが非常に楽しみです」
明日も現地からのレポートをお届けします。