スタート前の練習では「最初にどのクラブを打つかが大事です」と小澤。小澤の場合、まず58度のサンドウェッジから球打ちを始めるという。
「最初は58度のウェッジで、小さな振り幅でウォーミングアップをしていきます。この時のチェックポイントとしては【1】フェースにボールが乗っているか。【2】打球が真っすぐに飛んでいるか。【3】クラブと体の回転が同調しているか、という点です。短い距離のショットだからこそ、少しのミスでも結果に表れてくるので、その日のショットの調子を見るうえでこの58度のウォームアップはとても大事です。時間がある時は、この58度のショットに時間を掛けて球数を打ちますが、時間が取れずに1かごの25球に絞る場合は3球普通に打った後に、数発カット打ちやロブショットを打ち、ヘッドの走りやフェースコントロールの確認をしていきます」(小澤、以下同)
58度でのロブショットの練習は特に重要で、肩に余分な力が入っていないかのバロメーター的な役割もあるという。
「58度のウェッジでのロブショットは、バンカーショットの練習も同時にできます。大事なポイントは肩甲骨の状態です。よいロブショットやバンカーショットが打てた時には、左右の肩甲骨が背骨側に寄っていて、その両方の肩甲骨が下に落ちています。逆に、左右の肩甲骨が左右に開いていて上に持ち上がっている場合は、肩に力が入っている証拠なので、そういう時はいったん球を打つことをやめて、肩周りの力を抜いて肩甲骨を下げるようにします」
58度でウォームアップが終わったら、次は50度のウェッジを2~3球打つ。ここではラウンドで使用頻度が高い100ヤード前後のクラブの調子をチェック。そして次に打つのは7番アイアンだ。
「7番のチェックポイントは、出球が真っすぐに出ているかということです。7番はアイアンの真ん中の番手になるので、この7番で球が真っすぐに行っているかどうかは、その日のショットの安定性に影響をするので、しっかりチェックをしておきます」
7番の次は、ユーティリティ(入れていない場合はショートウッド)を打つ。
「私は4番ユーティリティを打ちますが、クラブが長くなってきた時のチェックポイントは、スウィング軌道です。私の場合は、スティープ軌道が強くならないように、どちらかというとシャローめの軌道で入ってきているのかがチェックポイントになります」
時間と球数に余裕があれば、次に5番ウッドや3番ウッドを打つが、時間がない時はウッドは打たずドライバーを打つとのこと。
「ドライバーは3球で終わります。どんなに時間があっても5~6球しか打ちません。理由は、ドライバーショットは他のクラブのショットよりも体力を消耗するので、ラウンド前にあまり多く打つことは避けたいからです。だから1発打ってある程度思った通りの球が出たらそのイメージを壊したくないので、それでドライバーの練習は終わりにします。スタート前の練習は、いいイメージを作ってラウンドに臨むことが大事な目的ですよ」
58度のウェッジが10球、あとは50度のウェッジ、7番アイアン、4番ユーティリティ、フェアウェイウッド、ドライバーをそれぞれ3球で25球の1かご終了。これをお手本にして、次のラウンドで試してみよう。