クラブフィッターの小倉です。今回は、編集部よりご質問を頂きましたのでそれを題材にしたいと思います。その質問とは、「クラブフィッティングの時に何をチェックしてオススメクラブを決めているのか?」というものです。
私を含め、クラブフィッターと呼ばれる方々は、ツアープロや、ティーチングプロのように国家資格のようなライセンスはありません。大手メーカーなどが独自のカリキュラムによって認定する公認クラブフィッターといったものはありますが、みなそれぞれが積み重ねてきたゴルファーのデータや、クラブ開発のノウハウ、独自に開発したフィッティング用の機械などを駆使したオリジナルの内容となっています。
そういった状況という事もあり、クラブフィッターがチェックしているポイントは、どこでクラブフィッティングを学んだか、ということで大きく異なります。
弾道データを重視しているところもあれば、スウィングを詳しく解析したデータを重視しているところもありますね。ちなみに私がチェックする大まかなポイントは、「対象者の体格」、「スウィングスキル」、「スウィングの特性(クセ)」、「今使っているクラブセットの重さやシャフトの流れや特性」、「使っているヘッドの特性」といったところでしょうか。とくに重要視しているのは、クラブの重量フローとシャフトの特性ですね。
「対象者とクラブの重さが釣り合っているかどうか」、
「スウィングの特性とシャフトの特性がマッチしているかどうか」、
そして「クラブセットの重さとシャフト特性の流れが出来ているかどうか」。
この3つのポイントはとても大事にしています。このポイントが1つでも欠けると、調子を保つのが難しくなりますし、上達を妨げる大きな要因となりますので。
それ以外の部分は、対象者とコミュニケーションをしっかりとったうえで判断します。どんなプレーをしたいのか、どんな弾道を打ちたいのか、などの要望を確認したうえで、おすすめのヘッドやシャフトを決めていきます。どんなにこっちがよいと思ってもそのクラブを使う方が、納得がいっていなければ、絶対に良い結果は出ませんからね。もちろん前述した3つのポイントの部分も試打をしていただきながら体感してもらい、納得してもらえるようにフィッティングをおこなっています。
クラブフィッターは、その方のポテンシャルを発揮させやすくするためのクラブをご提案するのはもちろん、自分にどんなクラブが合うのかを診断してくれる知識を持っています。それぞれ個性がありますので、複数フィッティングを受けてみるのもいい経験だと思います。
最後にいつも言っていることですが、フィッティングは中上級者のためのものではありません。上達したい、自分に合ったクラブが欲しいと考える方々のものです。そこそこボールを打てるようになったら、ぜひ一度受けてみてください。