「ZOZOチャンピオンシップ」のドライビングレンジ、トラックマンで何やら計測しながら調整していたトミー・フリートウッドを発見。いったい何をしていたのか? 三刀流プロの小島慶太に解説してもらおう。
プロゴルファーで、トラックマンマスターとタイトリストフィッティングスペシャリスト、TPIレベル3をもつ三刀流プロ・小島慶太が「ZOZOチャンピオンシップ」の練習場でトミー・フリートウッドと交流する機会に恵まれた。
その場でキャディのイアンが見せてくれたのは、ヤーデージブックに貼り付けられた番手ごとの距離表だ。世界中を巡って戦う彼らは、一つの基準になる距離表を作っていて天候や気候、標高によって変わる飛距離を毎週計測することで距離感を調整するという。開催された習志野CCでも各番手の距離を計測し、気温24度を記録したこの日は「いつもよりプラス2ヤードだね」とキャディのイアンは教えてくれた。
気になるトラックマンでチェックしているボールに関するデータは、キャリー、スピン量、ボール初速、打ち出し角、クラブデータは入射角、クラブパス、フェーストゥパス、クラブスピードの8項目。6番アイアンの数値を紹介すると
入射角/‐5.6度(ダウンブロー)
クラブパス/2.4度 インアウト
フェーストゥパス/‐0.4度
クラブスピード/98mph(約43m/s)
キャリー/202.4Y
スピン量/5945rpm
ボール初速/140.4mph(約62.5m/s)
打ち出し角/13.7度
この中で入射角を気にしていた様子からボールストライカーのトミー・フリートウッドならではの数値が見て取れると小島プロ。
「入射角はクラブパスに影響を与えるので入射角を揃えることでパスを整え、安定した軽いドローボールを打っていました。フェーストゥパスが-0.4度とパスに対するフェースの向きの差をわずかに作ることで限りなくストレートに近いドローボールを打っています。ボールストライカーのトミーならではの安定したクラブパスとフェース向きですね。もう一つは、体も大きくありませんし、コンパクトなフィニッシュでも6番アイアンのキャリーが200ヤードとPGAツアー選手のスウィングと弾道を間近で見ることができ、その再現性の高さにも感動しました」(小島慶太)
トミーの練習はスティックを置いてボール位置、パスと入射角の感覚を確かめながら始めるいつものルーティン。調子の良し悪しやその日の傾向をトラックマンを使って確認することが当たり前になっていると小島プロ。
トミーにドライバーの入射角はどれくらいを目指しているのか、どの辺りの数値を目指しているのか聞いてみると
「アタックアングル(入射角)は5度(アッパー)が一つの目安。2~4度でもいい感じだけど0度はトゥーマッチだね。打ち出し角は10度から11度くらいで、あまり高くなるとスピン量が増えてコントロールが難しくなるね。10.5度で2500rpmくらいがベストかな」(トミー・フリートウッド)
ZOZOチャンピオンシップの練習場は小島プロにとっても学び多き機会になったようだ。