秋晴れの土曜日の今日は6600名を超える大勢のギャラリーが押し寄せました。中でも大ギャラリーを引き連れたのは高校生のアマチュア二人と同組になった渋野日向子選手。拍手や声援に背中を押されスタートしましたが、出だしの10番ホールでボギーとつまづきます。流れをつかもうと何とか気持ちを切り替えながらパーを並べると15番でバーディ、しかし16番でボギーと乗り切れません。
例え絶好調でなくても、きっかけさえつかめば一気にスコアボードを駆け上がる姿を何度も見せてくれている渋野選手なので、ギャラリーの期待が高まっているのも本人も感じていたようです。
「昨日ほど緊張感はなかったんですけど、魅せなきゃいけない、バーディ獲らなきゃいけないっていう思いはちょっとあったかもしれないですね」(渋野日向子)
1バーディ、2ボギーで折り返すと後半は3バーディ、1ボギーでまとめました。上がりの9番パー5でもチャンスにつけましたが「最後のバーディパットは入れにいき過ぎて打っちゃいましたね(笑)」とトータル1オーバー28位タイでの予選通過に、ホッとした表情を見せました。
今日のコンディションは5mを超える乾いた風のせいでグリーンは速さを増し、予選通過した57名のうちアンダーパーは12名と選手を苦しめました。その中で予選落ちはできないプレッシャーをはねのけ1アンダーでプレーできたことは、今季の米女子ツアー参戦してきた成長ではないでしょうか。こだわりたいと話していたパーオン率も36ホール中29ホールで全体の2位タイに位置していますので、パット次第で爆発する可能性を期待しつつ最終日のプレーを楽しみにしましょう。
昨日の上位陣から残ったのは、今日67でプレーし9アンダーとし首位に立った金田久美子、6アンダー2位川崎春花、5アンダー3位に川岸史果、3アンダー5位タイに菅沼菜々、菊池絵里香、安田佑香選手らが上がってきています。金田久美子選手は2011年の「フジサンケイレディスクラシック」以来の2勝目を目指す最終日となりますが、もし達成すると11年ぶりの優勝はツアー記録になるそうです。
好調だった時期に使っていたドライバーに戻し、ほぼすべてのショットをライン出しショットのようにフィニッシュを抑えて打っています。36ホール中28ホールのパーオン率にグリーンの傾斜を踏まえた載せる位置のマネジメントと10メートルのロングパットが二つ決まったことで5バーディ、ノーボギーのラウンドになりました。後半のプレーを見て歩くと自分のプレーに集中し、UTやアイアンショットの方向性とピン手前から攻める距離感の良さは首位に立つ内容のゴルフでした。
最終日はどんな気持ちでプレーしたいかと会見で聞かれれると引き締まった表情でこう答えました。
「自分を信じ切れてなくゴルフしていることが多いので、流れに乗ったら大丈夫だなって自分のプレーを信じてできるんですけど、流れが変わった時に不安になるタイプなので、そこを明日は自信を持って、どんな状況でも、そのために練習してきてるので、大丈夫だと言い聞かせて自信を持ってプレーしたいです」(金田久美子)
2位以下にいる今季3勝目を狙う川崎春花、5年ぶりの優勝を目指す川岸史果。自分を信じて自信をもってプレーし優勝を手にするのは誰になるのでしょうか。