「マイナビABCチャンピオンシップ」で今季2勝目を飾った堀川未来夢。徹底した低い弾道のスティンガーを多用し勝利を手にしたスウィングをプロゴルファー・中村修が解説。

2週前の国内女子ツアーでも金田久美子選手がドライバーからアイアンまで「ライン出しショット」で11年ぶりの優勝を飾りました。堀川選手がティーショットで多用するスティンガーはライン出しショットよりももっと低い弾道ですが、ショットのメカニズムとしては同じ打ち方になります。

画像: 今季2勝目を挙げ賞金ランク4位にアップした堀川未来夢(写真は2022年のマイナビABCチャンピオンシップ 撮影/有原裕晶)

今季2勝目を挙げ賞金ランク4位にアップした堀川未来夢(写真は2022年のマイナビABCチャンピオンシップ 撮影/有原裕晶)

スティンガーやライン出しのメリットは、ボールを少し右寄りに置くことで、ロフトが立って当たるので弾道は低くなり、飛距離もフルショットとそれほど変わりません。むしろロフトが立って当たるのでランも含めるとフルショットよりも飛ぶ場面もあります。弾道が低くなるので風の影響を受けにくいこと、早い段階でフェアウェイをキャッチするのでハザードに入りにくいことがメリットになります。右にボールを寄せることで入射角を確保し、押し込むようなインパクトになるのでフェースの開閉は少なくなり方向性もアップします。

画像: ボールをやや右に置いて打つことで3Wのショットでも打ち出しは低く、しっかりとボールの前の芝に当たる入射角を確保している(写真は2022年の日本プロゴルフ選手権 撮影/岡沢裕行)

ボールをやや右に置いて打つことで3Wのショットでも打ち出しは低く、しっかりとボールの前の芝に当たる入射角を確保している(写真は2022年の日本プロゴルフ選手権 撮影/岡沢裕行)

では、なぜほかの選手はそれほど使わず、堀川選手だけが多用していたのでしょうか。大会の舞台となったABCゴルフ俱楽部のセッティングは硬く速いグリーンが特徴で、少しでもグリーンに近づけ短い距離のアイアンショットで止まる球を打ちたい。しかし、堀川選手は得意のアイアンショットを生かすためにはフェアウェイをキープすること。そのためには「少しでもプレッシャーのかかる場面では、一番自信のある3Wのスティンガー系でほとんど攻めました。ドライバーは1、2回です」とフェアウェイからピン位置から逆算した考え抜いたマネジメントで戦いました。

4日間トータルのドライビングディスタンスは250ヤードでしたが、フェアウェイキープ率64.286%
2位タイ、パーオン率は80.556%で全体の3位タイと好調だったパッティングにつなげ、4日間でボギーは4つという思惑通りのプレーで優勝を手にしました。では、スウィングを見てみましょう。

スティンガー系のローボールを打つ際に気を付けるポイントは2つ。一つはロフトが立ったままインパクトを迎えたいので体を浮き上がらせないこと。体が起きたり浮いてしまうとロフトが立ったまま当てることはできなくなってしまいますが、抑え込もうとして頭が左に突っ込むとミスの原因になるので、堀川選手のように頭の位置、顔の向きを変えずに切り返すことが重要です。

画像: 頭の位置、顔の向きをキープして切り返すことで体を浮き上がらせずロフトを立てたインパクトを実現する(写真は2022年の日本プロゴルフ選手権 撮影/岡沢裕行)

頭の位置、顔の向きをキープして切り返すことで体を浮き上がらせずロフトを立てたインパクトを実現する(写真は2022年の日本プロゴルフ選手権 撮影/岡沢裕行)

もう一つは、インパクト前後でヘッドが手元を追い越すように使わずに、グリップエンドがおへそを向いたままのフォローをとること。ゆっくりと素振りをしてみると踏み込んだ下半身の感覚や体幹部、特に腹筋を使う感覚が感じられるはずです。手首の動きを使ってヘッドを走らせる打ち方もありますが、距離感や方向性を合わせるために体幹部を使ってフェースの開閉を少なくしたショットがライン出しやスティンガー系の打ち方のポイントになります。

画像: 体幹部、腹筋を使いグリップエンドがおへそを向いたままのフォローを取ることで、体の回転とクラブが同調する(写真は2022年のマイナビABCチャンピオンシップ 撮影/有原裕晶)

体幹部、腹筋を使いグリップエンドがおへそを向いたままのフォローを取ることで、体の回転とクラブが同調する(写真は2022年のマイナビABCチャンピオンシップ 撮影/有原裕晶)

堀川選手はこのスティンガー系のショットに磨きをかけ、プレッシャーのかかるティーショットでもフェアウェイをとらえ、2打目は遠くからでも狙ったエリアに乗せられる技術を発揮し、これまでの逃げ切りスタイルから逆転で勝利する強さを見せてくれました。自分のプレースタイルを確立させた堀川選手はまだまだ強くなることでしょう。来年の全英オープンで活躍する姿が目に浮かびますね。

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