2022年後半のニューモデルラッシュとなってきている今日この頃。すでにツアーでは優勝ドライバーとなったスリクソンのニューモデルをゴルフステージ成城のクラブナビゲーター・吉田朋広が検証した。

スリクソンから新型ドライバー「ZX5MkⅡ」、「ZX5MkⅡLS」、「 ZX7MkⅡ」の3モデルが発売になります。今回は国内女子ツアーで早くも優勝し発売前から注目のドライバー「ZX5MkⅡ」を検証してみたいと思います。

画像: スリクソンのニュードライバー「ZX5MkⅡ」と「ZX5MkⅡLS」のニューモデルを比較検証した

スリクソンのニュードライバー「ZX5MkⅡ」と「ZX5MkⅡLS」のニューモデルを比較検証した

ストレートな高弾道が打ちやすい「ZX5MkⅡ」

ロフトは9.5度と10.5度が用意されています。マットブラックで前作の艶ありブラックに比べてずいぶんイメージが変わりましたね。前作はカーボンクラウン採用ヘッドでしたが新型はフルチタンボディになっています。前作よりも反発エリアの拡大によるボールスピードアップとミスヒット時の寛容性を求めたといいますが実際はどんな感じでしょう。さっそく打ってみました。

アドレスすると投影面積が大きくヘッドのすわりもいいですね。フェースアングルはスクェアでターゲットラインに合わせやすく安心して構えやすいです。

素振りの時からヘッド挙動がとても素直に感じましたが、実際のショットでもまったく同じでバランスが良く振りやすいですね。ソール後方のウェートが安定感にひと役かっています。外して計測したら8グラムありました。この効果もあってでスウィング中に感じる挙動が安定しているのだと思います。

スウィング中のヘッドのポジションも感じやすいため、コントロールのしやすいですね。打球感は弾き感が強めだった前作に比べて少しおとなしく感じます。適度な弾き感とボールの乗り感が両立していて、とくにウレタンカバーのボールを打った際はフェースで一度ボールがつぶれてから飛んでいくような軟らかさを感じます。好みはあると思いますが、いい印象に感じる方のほうが多いでしょう。

画像: 「ZX5MkⅡ」はバックスピン量が多すぎず、少なすぎず。純正シャフトはヘッドスピードが遅めのゴルファーでも使いこなせる仕様

「ZX5MkⅡ」はバックスピン量が多すぎず、少なすぎず。純正シャフトはヘッドスピードが遅めのゴルファーでも使いこなせる仕様

弾道はストレートイメージで安定した高弾道です。とくにロフト10.5度のヘッドと純正シャフトのマッチングだとボールのつかまりはいいと思います。スリクソンブランドですので、ヘッドが勝手にボールをつかまえるスライサー向きのヘッドではなく、スウィングでボールをつかまえていけるヘッドだと思ってもらえていいでしょう。

バックスピン量は多すぎず、平均的な数値です。あえてバックスピン量を少なくし過ぎない設計はキャリー不足の心配がなく、扱いやすさを感じさせてくれます。

プレーヤーに合ったシャフトを装着すれば明らかに弾道に変化が出るヘッドですのでバックスピン量はシャフトで調整しやすいと思います。
クラブ総重量は302グラムです。オリジナルシャフト「DiamanaZX50 Ⅱ」はSフレックスで49gと軽めで(シャフト振動数は230cpm)ヘッドスピードが速いプレーヤーにはやや軟らかく感じ、物足りなさを感じる方もいるとは思います。ヘッドスピード45m/sくらいまでのスウィンガータイプの方には自然な切り返しで振り抜きやすく、シャフト先端部分がボールをつかまえる方向に動きますので扱いやすさを感じられるでしょう。

スリクソンはもともとカスタムシャフト装着比率が高いブランドですので、純正シャフトはあくまでも扱いやすさを求めたイメージです。もの足りない方は自分のスウィングに合ったシャフトを選んで装着して下さい。クセがないヘッドですのでシャフトのイメージは変わらずにパフォーマンスがアップするクラブに仕上がるでしょう。ミスヒットに強い「ZX5MkⅡ」のメリットを存分に感じてもらえると思います。

完成度が高くスピンが減る「ZX5MkⅡ LS」

新作で新たにラインアップされた「LS」ははネーミングそのものズバリ、ロースピンモデルです。ロフト角は「ZX5MKⅡ」と同じく9.5、10.5度の展開。ヘッドは同じですがアドレス時にはややフェースアングルがややオープンになっています。フェースプログレッションが少なく強いボールが打てるアスリート向けのヘッドだと感じさせてくれます。

素振りの時から「ZX5MkⅡ」とはヘッドの挙動が違いますね。インパクト後にヘッドが上方向に動く「ZX5MkⅡ」に対して「LS」はインパクトエリアでヘッドがより低く長く動く感じがします。ソールのフェース寄りに配置されているウェート位置のイメージ通りのヘッド挙動です。さっそく打ってみましょう。

実際にショット時のスウィングでも素振りの際に感じた通り、インパクト後に飛球線方向にヘッドが低く長く動き、ボールを押していく感じで厚みのあるインパクトが印象的です。打球音は「ZX5MkⅡ」よりも若干低めの感じで音に重みを感じました。

振り心地はいいですね。プロ、アスリート向けのロースピンモデルですが意識することなくスムーズに振ることができる扱いやすいヘッド挙動です。

基本はフェード系の弾道ですが、ヘッドコントロールもしやすいので上級者にはドローとフェードの打ち分けはしやすく感じるでしょう。
9.5度と10.5度を比べてみると9.5度のヘッドは弾道が低く、フェード系。明らかなロースピンボールですね。

画像: 松山英樹も使う「ZX5MkⅡ LS」。名前の通りロースピン仕様だが、ピーキーではないため人気が出そうだ

松山英樹も使う「ZX5MkⅡ LS」。名前の通りロースピン仕様だが、ピーキーではないため人気が出そうだ

ヘッドスピードが速くない方やボールの打ち出し角度が低めの方だと9.5度のヘッドではボールが上がりにくく感じるでしょう。ヘッドスピードが速いプロやアスリート向けといっていいでしょう。強くインパクトしても左を気にせず、ボールの吹き上がりもなく推進力のある強いボールが打てると思います。

いっぽう、10.5度は9.5度に比べて扱いやすさが一気にアップしますね。自然と弾道は高くなりますし、さらにボールを上げようと思えばしっかり上がります。10.5度のヘッドでもバックスピン量は低スピンのままです。フェード回転はかかるものの、アマチュアゴルファーでバックスピン量が多い方ならこのヘッドを使うメリットはあると思いますし、イメージよりも「意外にやさしい」と思う方も多くいると思います。
車で例えるなら「ZX5 MkⅡLS」は乗用車ベースのハイパフォーマンススポーツモデルといった感じです。じゅうぶんに本格的スポーツカーと張り合えるパフォーマンスを持ちながらも扱いやすいといった印象です。

この「LS」はさらにカスタムシャフト装着比率が高いと予想されます。多くの契約プロが使用するヘッドですので、さまざまなシャフトでのチューニングも視野に入れて開発されているためかクセもありません。
ボールがつかまえやすいシャフトを装着すればイメージよりもやさしく感じますし、左を嫌うアスリートゴルファーならアスリート系のシャフト装着によってさらにロースピンのクラブにも操作性の良いクラブにも、自分好みでチューニングしやすいでしょう。

スリクソンのロースピンドライバーヘッドというポジションが明確で分かりやすく、非常に完成度の高いドライバーに仕上がっています。

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