「ジ・アッタス」はUSTマミヤ「アッタス」シリーズの10代目の集大成モデルとして発売された中調子モデル。2020-21シーズン賞金女王稲見萌寧が使うシャフトとして覚えている人も多いだろう。他にも金谷拓実、市原弘大らも使用するクセがなくタイミングの取りやすいシャフトだった。
今回発表された「ジ・アッタスV2」は「ジ・アッタス」の中調子はそのままに、先端剛性を上げ、全長に高弾性シートを採用したことで、トルクを締めたことで飛距離も方向性もアップさせたというもの。
「3Wと5Wにはジ・アッタスを使用させてもらってますが、中調子の適度なつかまり感と地面にあるボールを拾って高く上げてくれるしなり感が気に入っています」という「ジ・アッタス」ユーザーの中村はどんな印象を持ったのか。
「アッタス」シリーズといえば、気になるのはネーミングとコスメ。11代目はジャック、12代目はダース、13代目はキングと数字やトランプにまつわるものから命名されてきたが、今作は「ジ・アッタス」の焼き直し的な感がやや否めないところだが、ツアーで実績のあるモデルのバージョンアップ版という位置付けになっている。
気になるコスメは、先端からツヤありブラックから手元にはシルバーの背景にシャフト名は白文字となり、どんなヘッドにも合わせやすいシンプルなコスメになった。
「伊藤園レディスの会場でテスト試打をした桑木志帆、リ・ハナ選手の好感触を間近で見ていたので楽しみにしていました」と中村。早速、5SR、5S、5X、6S、6Xと打ち比べてもらった。
「フレックスによってしなり量は変わるものの『ゆるさ』がなく、芯を外しても当たり負けせずにボールを弾き返してくれます。『ジ・アッタス』に比べて硬く感じるというより『ゆるさ』を消したイメージです」(中村修、以下同)
ヘッドは「ピンG430LST」の10.5度を使い、ヘッドスピード45m/sで試打したGC4のデータを見るとヘッドの持つ特性を引き出した数値が並んでいる。
「打ち出し角14.4度 スピン量2187rpmとヘッドの持つ特性を引き出せた数値になりました。タイミングがとりやすくドローでも、フェードヒッターでも使えるくクセのないシャフト特性を持っています」
中村は5Sと6Sではボール初速は64m/sであったが、6Xでは同じヘッドスピードでも65m/sと1m/s上がってたことから、ヘッドを含めたフィッティングを行えば、ポテンシャルを最大限に引き出してくれるはずだ。
合成分布を見ても「ジ・アッタス」よりも先端の剛性が上がり全体的にニュートラルでピーキーではない特性が見て取れる。
中村によると「自分に合っているシャフトを選ぶと初速が上がります。理由は、スウィングのタイミングやしなり感がマッチすると芯に当たる率が高くなるから」というから、異なるフレックスや重量を試して一番初速が出るスペックを選んでみるといいだろう。