風の影響を受けにくい、低い弾道のショット=ローボールは、習得できればコース攻略において強い選択肢の一つとなる。国内男子ツアーで3勝を挙げたフィジー出身のプロ、ディネッシュ・チャンドが教えるローボールを打つコツを、シングルハンディの腕前を持つイラストレーターの野村タケオが試してみた。

みなさんこんにちは。ゴルフバカイラストレーターの野村タケオです。僕の悩みはスピン量の多さ。ドライバーでも3000rpmを簡単に超えちゃうし、弾道も高めなので、ランがあまり出ないんですよね。スピンの多い高弾道だから、当然風にも弱い球になっちゃう。できればもう少し低い球で、ランの出る球が打ちたいんですよ。低い球なら風の影響も受けにくいしね。

月刊ゴルフダイジェスト2023年1月号に「日本ほどローボールが必要な国はないよね」という記事がありました。この記事ではディネッシュ・チャンドプロが低い球の打ち方を教えてくれているので、僕にもできるのか試してみました。

画像: 月刊ゴルフダイジェスト2023/1号で特集されていた、ディネッシュ・チャンドが教えるローボールの打ち方を実践!

月刊ゴルフダイジェスト2023/1号で特集されていた、ディネッシュ・チャンドが教えるローボールの打ち方を実践!

チャンドプロといえば、フィジー出身で20歳で来日し、ツアー3勝をあげたプロです。風の強いフィジーでゴルフを覚えたチャンドプロはアゲンストのときだけでなく、普段からローボールを打っていたそうなんです。日本ではフィジーほど風が吹かないですが、打ち下ろしや狭いホールでもローボールを打つそうです。狭いホールでもローボールを打てばボールが早く地面に落ちることで、曲がりが少なくOBになりにくいということなんですね。ローボールだとキャリーは落ちますが、ランが出るので、特にこれからの寒い時期はトータルの飛距離はほとんど変わらないということです。

画像: 普段の弾道はこんな感じ。打ち出し角が18度と高く、スピン量も3000超え。これでは飛びませんね~

普段の弾道はこんな感じ。打ち出し角が18度と高く、スピン量も3000超え。これでは飛びませんね~

チャンドプロが打つローボールは普段の弾道の半分くらいの高さのイメージだそうです。そのショットを打つポイントはインパクトを長くすること。ボール位置をいつもよりも右側にして、飛球線方向の先30センチくらいにある仮想ボールも一緒に打つようなイメージということです。アマチュアはスウィングがアッパーでロフトが寝て当たる人が多いので、この打ち方を練習すればスウィングも良くなるらしいです。アッパー軌道でロフトが寝るというのは、まさに僕のことですね(笑)。さっそくチャンドプロのイメージでボールを打ってみました。

画像: (左)アマチュアはアッパー軌道でフェースが寝てしまう。(右)飛球線方向30センチあたりに置いたボールも一緒に打つイメージ

(左)アマチュアはアッパー軌道でフェースが寝てしまう。(右)飛球線方向30センチあたりに置いたボールも一緒に打つイメージ

これかなり難しいです。30センチ先にある仮想ボールを一緒に打つというのが本当に難しい。30センチ先ってかなり遠いから、そこまでヘッドを押し込んでいく動きっていうのができないんですよ。普段はアッパー軌道で、すぐにヘッドが上に動いているのでなおさらです。30センチ先の仮想ボールを打とうとすると、どうしても上体が左に突っ込んでしまってスピン量が増え過ぎたり、ボールが左に行きがちです。さすがにプロと同じイメージだけでは簡単にはローボールは打てないですね。

記事にはローボールを打つためのコツがいくつか載っていたので、それもやってみることにします。まずひとつ目が「腰をターゲットに向ける」です。左サイドが浮いてしまってはローボールは打てないので、クラブを左サイドに振り抜いていかないとダメなんだそうです。腰が止まった手打ちになると左に振り抜けないし、引っかけのリスクもある。なので、ベルトのバックルが引っ張られるようなイメージで腰を回すのがいいそうです。

画像: (左)ベルトを持ってバックルを引っ張るように体を回してみる。そのくらい腰をターゲットに向くように振る。(右)腰が止まった手打ちでは左に振り抜けない

(左)ベルトを持ってバックルを引っ張るように体を回してみる。そのくらい腰をターゲットに向くように振る。(右)腰が止まった手打ちでは左に振り抜けない

2つ目のコツが「右手で球を押すイメージ」です。左手をしっかり持つイメージだと力みにつながりブレーキがかかってしまうのだとか。右手主導で押すようにするといいそうです。僕は右手のイメージが強いので、これはやりやすいかも。

そして3つ目が「左目でボールを見る」です。顔が早くターゲット方向を向いてしまうと左サイドが浮いてしまいます。左目でボールを見たまま打つようにすれば、低く振れるようになるということです。

画像: (左)左目でボールを見たまま打つようにすると、左サイドが浮かず低く振れる。(右)目が早く目標方向を向いてしまうと左サイドが浮き、低く振ることができない

(左)左目でボールを見たまま打つようにすると、左サイドが浮かず低く振れる。(右)目が早く目標方向を向いてしまうと左サイドが浮き、低く振ることができない

この3つのコツと、チャンドプロがやっている30センチ先の仮想ボールを打つイメージを一緒にやって打ってみました。

3つのコツを意識したほうが、最初に打ったときよりも低くクラブを動かしやすく、少しうまく打てるようになりました。特に「左目でボールを見る」というのが、僕には向いていたかもしれません。左目でボールを見続けたまま打つと、左サイドが浮かず、クラブがアッパーに入ることもなくなりました。ボールのつかまりも良くなるし、当たりも厚くなる気がします。

左目でボールを見たまま、腰をターゲットに向けるように回していくと、たしかに低めの球が出やすくなりました。30センチ先の仮想ボールを打つくらい低くて長いフォローを意識するとかなりライナーっぽいボールが出ます。ただ、まだまだ慣れない動きなのでナイスショット連発にはなりませんが、ローボールの打ち方がなんとなくわかった気がします。

画像: ローボールを打つコツをやりながら打ってみた弾道(上手く打てたとき)。打ち出し角は12度と低くなり、ランも入れた飛距離は普段とあまり変わらないくらいでした

ローボールを打つコツをやりながら打ってみた弾道(上手く打てたとき)。打ち出し角は12度と低くなり、ランも入れた飛距離は普段とあまり変わらないくらいでした

チャンドプロがこの練習をするとスウィングが良くなると言っていた意味もだんだんわかってきました。左サイドが浮いてしまってスピン量の多い弱い球になりがちな僕には、このスウィングの意識はとてもいいような気がします。ボール位置を少し左にすればもう少し高い球も打てるので、これは普段のスウィングに取り入れていきたい動きだと思いました。

ローボールが打てるようになると、ゴルフの幅がかなり広がると思いますので、ぜひ皆さんも練習してみてください。月刊ゴルフダイジェストの記事の中にはローボールが打てるようになるドリルも紹介されているので、ぜひ読んでみてくださいね。

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