ギャラリースタンドもリーダーボードもなく、気温9.3度の寒空のなか選手たちは淡々とプレーし、来季のレギュラーツアー出場を目指します。
シード権を落とした選手や、昨年のQTを勝ち上がるもシードに届かなかった実績のある選手は順当に第一回リランキングまで概ね出場できる35位以内に名を連ねます。1位通過の若林舞衣子、葭葉ルミ(6位)、仲宗根澄香(9位)、脇元華(11位)、藤本麻子(12位)、新垣比菜(14位)、柏原明日架(19位)、岡山絵里(24位)、吉本ひかる(28位)などは出場権を手にしました。
1位通過した若林舞衣子選手は「3回目のQT出場で一番余裕をもってプレーできた」と話し、これまでの経験を生かしたプレーを見せました。不調から立ち直り14位で通過した新垣比菜選手は、9月頃から青木翔コーチに師事したことで復調してきたといいます。「開幕戦のダイキンから上位に入りたい」と地元沖縄開催の開幕戦に向けて明るい表情で締めくくりました。
今季のツアーを沸かせた2021年のプロテスト合格したばかりのルーキーたち、川崎春花、岩井姉妹、佐藤心結、佐久間朱莉と同じように今回のファイルQTでもプロテスト合格組は躍動しました。合格者20名のうち13名がファイルステージに勝ち上がり、35位以内に入ったのは荒川怜郁(4位)、神谷そら(7位)、鶴瀬華月(13位)、平岡瑠依(33位)らの顔ぶれ。
4位で通過した荒川選手は「おおざっぱな性格でプレーも神経質にならずに、250ヤードの飛距離を持つドライバーを武器に、攻めるプレースタイル」だと話します。ツアーで回りたい選手は「シン・ジエさんで、ミスしても怒った顔を見せず歩き方もかっこいい」といい、シード権獲得を目指しオフにはアプローチ、パターを重点的に練習したいと続けました。
プロテストに合格できる実力を持ってすれば、プロだけの予選会でも上位に入れることを示しましたが、上位に入れなかったとしても推薦出場やマンデーなどのチャンスを生かしてリランキングに残る可能性は大いにあります。プロテストを2位通過した小暮千広選手ですが、最終日も崩れ93位との結果に「すごく悔しいです。気持ちの面とマネジメントがしっかりすりあっていなかった。オフはアマチュアとして過ごしてきた数倍、数十倍の努力をしてチャンスをつかみたい」と前を向きます。
来季の出場権をかけた4日間を戦い抜いた選手たちの表情も様々でした。レギュラーツアーに出場するルーキーもシード返り咲きを目指す選手たちもストイックなオフを過ごし開幕戦を迎えることでしょう。