「ゴーヨン入れたら、もっと寄せワン増えるんじゃないか。その場合、56度のウェッジを58度に替えて…」と夜な夜な考えているゴルファーへ、ギアオタクでクラブフィッターの小倉勇人が、ウェッジのロフト構成について教えてくれた。

クラブフィッターの小倉です。今回は、アプローチで使うウェッジについて考察していきたいと思います。皆さんの、ウェッジのロフト構成はどうなっていますでしょうか。日本でピッチングウェッジとサンドウェッジの間のいわゆるアプローチウェッジが誕生した際、52度のものが多かったので、その名残りもあってか、52度、56度もしくは58度のセッティングという方が多いのではないでしょうか。昨今では、アイアンのストロングロフト化により、さらにもう1本ウェッジを増やすという組み合わせも出てきましたし、2度刻みの細かいロフト設定のウェッジも増えているなど、ウェッジのセッティングは、より複雑化してきています。そういったなか、「結局、アマチュアにはどんなウェッジの構成が有効なのか」を自分なりに考えてみました。

主にウェッジを使う場面は、100ヤード前後の距離から、グリーン周りまでだと思います。これだけの距離幅を2~3本のウェッジを使って打ち分けるのですから、他のクラブよりコントロール技術が求められるクラブであると言ってよいでしょう。それだけ難易度が高いのですから、できるだけシンプルに打てるようにウェッジ構成を考えたいところです。

一般的な考え方として、ロフトの間隔を均等にし、フルショットでの距離も均等にすることで、コントロール幅をできるだけ少なくするといったものがあります。これはこれで良いのですが、ひとつ気を付けるポイントがあります。それはアイアンとウェッジのヘッドの性能差です。あまりロフトが立っていないマッスルバックや鍛造キャビティなどでは、この考え方でもOKですが、昨今の全体的にロフトが立っている飛び系アイアンなどとスピン性能を高めたウェッジでは、ヘッド自体の性能に差があるため、アイアンの一番下の番手とウェッジの一番上のロフトの間隔を均等にしても、距離の間隔は均等にならない場合がありますので、お気を付けください。

もうひとつの考え方としては、自分の任意の距離をフルショットで打てるロフトでウェッジを構成することです。飛距離の均等化にこだわらず、フルショットで好きな距離を打てる構成にすることで、得意な距離をつくるといった考え方ですね。

グリーン周りに関しては、好みがわかれるところではありますが、50度から54度ぐらいの間のロフトのモデルを使用するのが、大きなミスが少なくなることにつながると思います。ロフト角が大きい56度以上のウェッジは、距離の調整が難しいですし、失敗した時に大きなミスになりやすいのです。

結局のところ、アマチュアにとって大切なのは、いかに大きなミスをしないかということだと思います。ウェッジは、コントロールショットをする機会が多いため、よりこの考え方が顕著に出るところですので、いかに自分がミスをしづらいセッティングにするかというのが、ひとつのカギかなと思います。

100ヤード以内が苦手な方は、一度ロフト構成を見直してみてはいかがでしょうか。距離に自分で振り幅を合わせるのが上手くいかないなら、自分のフルショットにロフトを変えることで好きな距離を飛ばせる1本を作ってみるのもひとつの手です。1本でもそういうウェッジがあると、グッと100ヤード以内が楽になると思いますよ。

画像: 「大きなミスを少なくするのが、スコアを作る上で大事なこと。コントロールショットを多用するウェッジ選びには、この考え方を意識したいですね」

「大きなミスを少なくするのが、スコアを作る上で大事なこと。コントロールショットを多用するウェッジ選びには、この考え方を意識したいですね」

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