シャフトの先端側にキックポイントが設定されてることでヘッドが走らせやすいというイメージの先調子系シャフト。今年販売された人気の先調子系シャフトをゴルフステージ成城のクラブナビゲーター・吉田朋広が検証してみた。

自分のスウィングにあったシャフトを選ぶ際に振りやすさの目安にもなり、性能を決める要素のひとつに挙げることができるキックポイント。シャフトのキックポイントは大きく分けて先調子系、中調子系、元調子系の3種類があります。

今回はシャフトの先端側にキックポイントが設定されてる先調子系シャフト、人気3モデルを検証してみました。

画像: 先調子の人気シャフト3モデルを検証。写真上からグラファイトデザイン「aG19」、三菱ケミカル「VANQUISH」

先調子の人気シャフト3モデルを検証。写真上からグラファイトデザイン「aG19」、三菱ケミカル「VANQUISH」

グラファイトデザイン「aG19」

Gシリーズとしては2代目となる「aG19」ですが、4月から販売された後、生産の都合で1度受注ストップになり11月から再発売されたという異色のニューモデルです。

「aG19」と分かりにくいネーミングですが「a」はアンチ、「G」はグラビティ、「19」は開発ナンバーでしょう。「重力に逆らって飛ばせ!19番目のシャフト」といったところでしょうか。

40g台、50g台、60g台と3つの重量にR、 SR、 Sのフレックスが用意してあります。今回は5Sをテストしてみました。

ネーミングもそうですが、グラファイトデザインのシャフトとしては手元の剛性が軟らかく設定してあるという異色のシャフトです。シャフト全長は手元が軟らかく、中間部が硬め、先端部分はやや軟らかめの設計、この軟らかい手元設計のおかげでダウンスウィング時の初動時に手元部にしなりを感じられ、間が取りやすく、力まずにスムーズに切り返すことができます。下半身リードでスムーズに振り抜くスウィングタイプの方にも自然にシャフトのタメを感じる事ができます。強めの切り返しに対応した設計の「ツアーAD」シリーズに比べて真逆のイメージですね。

テストクラブのシャフト振動数も236cpmと50g台のSフレックスとしては低く、手元部が軟らかいのがわかります。この剛性差により手元で貯めたエネルギーを中間部が増大させて先端部分に伝える感じです。

パワーがなくてもしなやかで振りやすく、インパクトも合わせやすい。つかまりのいい高弾道ボールが打ちやすいシャフトですので「ボールが上がらない」「ボールがつかまらない」と悩んでいる方に試して欲しいシャフトですね。とくにグラファイトデザインの「ツアーAD」シリーズだとしっかりしていて手強いと避けていた方には是非試して頂きたいと思います。まったく別物ですよ!

三菱ケミカル「VANQUISH(ヴァンキッシュ)」

鋭く動き、レスポンスのよい先調子系シャフトです。手元側の剛性はしっかりめですが、切り返しやすく、中間部から先端部にかけて動きがあります。先端部は鋭く動き、振っているときに速く振れているような感じがするのですが、実際に測定してもヘッドスピードはアップしていますね。

ボールがとらえやすく右へのミスは防ぎやすい反面、左へのミスが気になりますが、先端部分の剛性は高く、走りすぎるイメージはありませんので、つかまりすぎるという心配はしなくてよさそうです。軽量シャフトでもバックスピン量は比較的少なめです。

VANQUISHはボールのつかまりと弾道安定性をうまく両立していて、アマチュアゴルファーにメリットの出やすい設計ですが、競技に出ているアスリートゴルファーの方でもやさしくつかまるイメージのシャフトが好き、という方には使いやすいと思います。

5Sのテストクラブのシャフト振動数は245cpm。ほどよい粘り感もあり、多少叩いても暴れる感じもないのでヒッタータイプの方にも合うでしょう。スウィンガータイプの方には設計的に長めのレングスでお使い頂くのがこのシャフトの性能をフルに感じて頂けると思います。

USTマミヤ「ATTAS KING (アッタスキング)」

ATTASシリーズ初の先調子モデルです。とくにアマチュアゴルファーに振りやすく感じる絶妙なシャフト剛性を持った振りやすいシャフトですね。先調子のシャフトとしては手元剛性が高くないので、強く切り返さなくても手元にしなりを感じられ、非常にスムーズに振り下ろすことができます。

先端部の動きは先調子シャフトのイメージとしては穏やかで、インパクトエリアでヘッドがきちんとボールをつかまえてくれるように動き、スムーズなシャフト挙動で自然にボールをつかまえていくことができる「新感覚先調子シャフト」といった感じです。5Sのテストクラブの振動数は242cpmとSフレックスにしては低めです。

しなやかさもあるおだやかなシャフト挙動ですので、インパクトで一気ヘッドが戻ってくるような強烈なしなり戻りを期待すると、イメージが違うと思います。つねに安定したヘッドの戻り方でインパクトのタイミングを合わせやすい感じがします。

振り心地も打球感も軟らかく感じるのも特徴です。使用している素材の影響もあるのでしょう。インパクトで手に伝わる衝撃や振動もシャフトが吸収してくれているように感じます。

慣性モーメントの高い大型ヘッドを使ってインパクトでフェースが開き気味になった際にも右に大きく曲がる感じは少なく、プッシュアウトのミスが出にくい。つねにボールのつかまりに不安のある方には結果が出しやすいと思います。スペックによっては左右の打ちわけができないわけではありませんが、5Sくらいまではコントロール性よりもボールのつかまりを重視している方のほうがイメージに合うでしょう。

スライサーの方でもヘッドをスクェアに戻しやすいので適正インパクトになりやすく、スライス幅の低減も期待できると思います。

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