UTが我々アマチュアゴルファーの「武器」になることはよーくわかる。でも、モデルがたくさんありすぎて、どれを選んでいいかわからない、というゴルファーへ、ギアオタクでクラブフィッターの小倉勇人が教えてくれた。

クラブフィッターの小倉です。今回は、お客様からご相談を頂いた件をお話したいと思います。その内容は、「UTってどうやって選べばよいですか?」というものです。

UTは、FW(フェアウェイウッド)とアイアンの間を埋めるクラブではありますが、ウッド型とアイアン型があり、モデルによって長さも重さも違います。試打して買ったとしてもすでに持っているクラブとの相性を無視してしまうと、セット全体に悪い影響を及ぼしてしまう可能性すらあるのです。そこでふだん私が、お客様へお話している自分に合ったUTの選び方をご紹介します。

まず、購入を予定しているUTに、どんな役割を求めているのかをお聞きします。FWの代わりに使いたいのか、今使っているFWとアイアンの中間距離を埋めたいのか、ロングアイアンの代わりにしたいのか、など求める役割はゴルファーそれぞれです。FWの代わりにするような使い方や、FWとアイアンの中間距離を埋めるといった使い方であれば、ある程度の距離性能が必要になるので、比較的打点のミスに強いウッド型UTをお勧めします。ロングアイアンの代わりを求めているのであれば、アイアン型UTも視野に入りますが、ある程度ミスへの寛容性を求めるならウッド型UTの方が無難ですね。

次に自身のクラブでFW、アイアンどちらが打っていて気持ち良いかをお聞きします。これは、長めで軽いほうが振りやすいと感じているのか、短めで重めのほうが振りやすいと感じているのかを確認し、おすすめするシャフトやスペックの参考にするためです。

最後に左右どちらのミスを嫌がるのかをお聞きし、つかまりの良いモデル、つかまりを抑えたモデルどちらをお勧めするかを判定します。ざっくりとした流れはこんな感じです。

具体的なモデル、シャフト、番手などは、今使っているモデルや、スペックなどで変わってきます。

ヘッド性能以外に私が重視しているのは、今のセッティングに組み込んでも重量フローが極端におかしくならないかという点。ドライバーからアイアンまで、クラブが短くなるほど、重量が重くなるようにスペックを選べば、クラブごとの振り心地を近づけることができます。1打ごとにクラブをとっかえひっかえしなければならないのがゴルフですから、そういった工夫をすることでミスの幅を小さくすることができます。スペックの選択肢があまりなくても最低限「重量フロー」だけは、気を配りたいところです。

もしカスタムやリシャフトまで視野に入っているのであれば、前述したウッドが好きか、アイアンが好きかに合わせて、長め、軽めのスペックにするか、短め、重めのスペックにするかを決め、その好きなほうのシャフトとキックポイントに近いシャフトをご提案します。

UTに限ったことではありませんが、本当に自分に合ったクラブが欲しいなら、そのクラブの性能やスペックはもちろん、他のクラブとの重さや、シャフトの特性など、流れを合わせることがとても重要です。クラブセッティングの中間に位置するUTは、ちゃんと吟味して選ばないと、長いクラブ、短いクラブ両方に悪い影響が出てしまう可能性がありますよ。

画像: 「自分はUTにどんな役割を求めているのか。そこを明確にしてから、どのモデルがいいか、を考えたいですね。最終的には試打することも大切です」

「自分はUTにどんな役割を求めているのか。そこを明確にしてから、どのモデルがいいか、を考えたいですね。最終的には試打することも大切です」

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