女子ツアー黄金世代の実力派にして天然キャラクター・小祝さくら。焼き肉のタン塩が大好きという彼女のゴルフ回路を覗く異色エッセイ。第7話は「名前はさくらでも、ピンクはあんまり好きじゃありませんが…」

小祝さくらを見ていると、「昭和の女優」のように見えることがある。色白で長い黒髪、しっとり笑う雰囲気がそうさせるのか。実はこっそり髪の下の部分を目立たない程度の茶色にして楽しんでいたりする。美肌の秘訣を聞くと、「夏なんかは、たとえば日焼け止めを塗り終わったら、叩いて肌に押し込むんですよ。それをやらないとダメだと昔テレビで見たんです。ただ塗っただけでは意味がないらしくて。その上から、ファンデーションも塗ります」

パックは毎日きちんと行う。高いものでもコンビニで買えるものでも種類は問わない。洋服にもこだわりは強い。ゴルフウェアも、メーカーさんから送られてきたもののなかから、自分で選ぶ。イメージに合ったものだとすぐに選び終わるけれど、そうでないと、ちょっぴり時間はかかる。意外にもかわいいタイプより、カッコいいタイプが好きだ。同じウェアはほとんど着ない。自分の意見はしっかりあるし、はっきりと言う小祝。2022年10月のTOTOジャパンクラシックのとき、ピンク色のウェアを着ていた小祝に、スタートホールで選手紹介していた司会者が“さくら”という名前をもじって、「今日はさくら色ですね」と話をふると、「ピンクはあまり好きじゃありません」と返して、笑いが起きた。「好きな色は、水色と白ですね」こういうやりとりは、よくある。サービス精神が旺盛なのだ。

画像: 「かわいい」と言われてもあまり喜ばないさくら。「好きな色は白と水色」、こういうウェアもよく似合う

「かわいい」と言われてもあまり喜ばないさくら。「好きな色は白と水色」、こういうウェアもよく似合う

笑いをとるサービス精神も、実は旺盛

その直後「今日はいくつバーディーがほしいですか?」と聞かれ、同伴競技者のイ・ジョンウン6が「5個ですね」と答えた後に、キャディの小畑氏に目配せされて「私は18個ほしいです」と答え、再び笑いが起きた。ハロウィンの仮装を考えたとき、「リアルなキティちゃんがやりたい」「イカゲーム(韓国の人気ドラマ)の感じでジャージーを着たい」と考えていたが、実現はしなかった。いくつか、さくら渾身の仮装を見てみたいものだ。私服はシンプルなものが好きだ。スカートよりパンツ派。1人で買い物に行ったりもする。人のせいにしたくないから自分で決める。ゴルフでの状況判断、番手選びと同じ。一貫している。

画像: 2022年12月のJLPGAアワードでドレスアップしたさくら

2022年12月のJLPGAアワードでドレスアップしたさくら

毎年恒例、年末に行われるJLPGAアワードでは、ドレスアップした女子プロ達の姿が見られるが、2022年のさくらは「白が着たい」と言って、自分でドレスを購入してきた。周りに着物姿を勧められても拒否。「自分を見て!」のアピールも苦手なさくら。でもこの日のさくらは妖精のようでも、どこかの国の姫のようでもあった。2023年も小祝さくらのことを、こっそり見守りたいと思う。

こいわい・さくら。1998年北海道生まれ。ニトリ所属。8歳でゴルフを始め、17年のプロテストで合格。19年初優勝、昨季は5勝、2022年は2勝。つねに「黄金世代」を引っ張る存在。「私が連載なんて、自信はないですが、普段通りで行きます」

2023年週刊ゴルフダイジェスト1月10・17日合併号より(PHOTO/Hiroyuki Okazawa雑誌代表撮影、Shinji Osawa)

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