460㏄のヘッド体積が当たり前になっているドライバーの世界。でも、最近、小ぶりなドライバーもちらほら出てきている。そんな、小さめドライバーのメリットを、ギアオタクでクラブフィッターの小倉勇人が教えてくれた。

クラブフィッターの小倉です。今回は、普段から私が愛用している小さめのドライバーについてお話したいと思います。たびたび、お客様から「よくそんな難しいドライバー使っているね!」とお声がけいただきますが、私は「難しいけど頑張って使いこなしたい!」といった理由で使っているわけではありません。小ぶりなヘッドが、私にとっては結果が出しやすい、つまりやさしいから使っているのです。

昨今のドライバーのヘッドは、芯を外した時のヘッドのブレをできるだけ抑えるためにヘッドの慣性モーメントが大きくなるように設計されています。慣性モーメントを大きくするには、ヘッド重量を重くするか、重心位置を深くすることが有効です。ヘッドのブレが小さくなれば、芯を外したショットでもエネルギーロスが少なくなりますし、スピン軸が傾きにくく、余計なスピンも入りづらくなります。つまりミスに強く、曲がりが少ないドライバーヘッドになるわけです。最も飛距離を追求したいクラブがドライバーなのですから、ミスに強く、曲がりが少ないことが理想ではあるのですが、これらの性能を高めれば高めるほどトレードオフになる部分があります。それは振り心地と操作性です。

私が小ぶりなドライバーを好む一番の理由は、振り心地です。ドライバーは、ここ20年で倍以上の容量になり、長さも2インチ前後長くなっています。それに対し、FW以下、それ以外のクラブは、ドライバーほどサイズも長さも変わっていません。それだけドライバーは、別次元の進化を果たしました。しかしそれにともなってFWなどの他のクラブと比べて振り心地もかなり差が生まれています。大きく、長くなったドライバーは、スウィング中に起きるヘッドのターンが穏やかになります。これが個人的にヘッドの小さいFWやアイアンなどと大きなギャップを感じてしまい、他のクラブと違うスウィングをしないと良い結果につながらないのです。そんなものヘッド自体はやさしく進化しているんだから練習して慣れたほうが良い結果がでるでしょ? ともよく言われるのですが、ドライバーとそれ以外のふたつのスウィングを練習するくらいなら、ひとつのスウィングを練習するほうが効率的かな、と思うわけです。小さめのヘッドでやや短めの長さにすることで、他のクラブとできるだけ振り心地を近づけることができ、とてもストレスフリーにプレーが楽しめています。

近年、少量ではありますが、小ぶりなドライバーにもバリエーションが増えてきています。どうしても小ぶりなモデルは、難しそう、ツアープロ用といったイメージがありますよね。実際にそういったモデルも多いですが、なかには、小ぶりでありながら、つかまりの良いモデルや、上がりやすいモデルといったものも出てきています。物理的には、大型ヘッドのほうがミスに強いのは間違いないのですが、振り心地の違いによってその性能を生かせていないゴルファーもたくさんいらっしゃいますので、ドライバーが苦手という方は、先入観を持たずにいろいろなモデルを試してもらいたいですね。

画像: 小倉氏が愛用する小型ドライバー、ブリヂストンの「B-Limited415」ドライバー。「他の番手との振り心地の違いが生まれないんです」

小倉氏が愛用する小型ドライバー、ブリヂストンの「B-Limited415」ドライバー。「他の番手との振り心地の違いが生まれないんです」

This article is a sponsored article by
''.