構えやすさと弾道安定感のW効果
2022年シーズンのJLPGA年間女王となった山下美夢有。使用クラブはパター以外、すべてダンロップ。前半戦、ドライバーはスリクソンZX7を使って2勝、9月のミヤギテレビ杯で新しいスリクソンZX5 MKⅡにスイッチして、その大会に優勝。その後も2勝を挙げてシーズン5勝。
ドライバー選びの経緯についてダンロップのツアー担当に話を聞いた。「山下プロは大きめのヘッドが好み(ZX5 MKⅡは460㏄のフルサイズ)。投影面積が大きめのヘッド形状を気に入って『ターゲットに対してスッと構えられます』とテストに入ったのがミヤギテレビ杯の前週、東海クラシックでした。実際に打つと多少芯を外しても弾道の安定感が抜群で、ヘッド形状の良さとの相乗効果で、気持ちよく新モデルに切り替えられました。投入した試合でいきなり優勝、その後、ツアーでの平均飛距離もアップして強い武器になったと思います」
「キャリーとランのバランスが良くて飛距離が出ているロフト8.5度がエースですが、実は9.5度のヘッドも持っています。コースやフェアウェイの硬さ、天候によってチョイスしています。シャフトはスピーダーNX、相性の良さは結果が証明していると思います」(同クラブ担当)
フェアウェイウッドとユーティリティもミヤギテレビ杯からスイッチした。3Wはロフト15度、5Wは18度。ドライバーと同じスピーダーNX の50SRを挿す。
2本のユーティリティもMkⅡハイブリッド。左右の曲がり幅が小さく、前後の距離感も安定していて、山下が今一番信頼している2本。写真は22度の4U。シャフトはスピーダーTRハイブリッドの75SR。
「ZX MKⅡの3番と5番ウッドは『ターゲットに向けやすくて構えやすい、つかまりも良くて強い弾道が出ます』とコメント。2本のハイブリッドに至っては『狙ったところにしか行かない。今一番信頼できるクラブ』と大絶賛でした(笑)」(同クラブ担当)
アイアンは2020年モデルのZX5。シャフトはダイナミックゴールド85のR300。新しいZX5 MkⅡアイアンはテストを開始したところ。このオフにスイッチ予定。
最終戦のリコーカップ優勝と伊藤園レディス優勝はこのスクワッドパターで達成。ただし、伊藤園レディス終了後、10グラム軽量化している。
やました・みゆう/2001年8月生まれ。大阪府出身。5歳からゴルフを始め、大阪桐蔭高校を経て2020年プロ入り。2022年シーズン5勝を挙げて年間女王に輝く。加賀電子所属。ツアー通算6勝