松山英樹のコーチを務める目澤秀憲によれば、今世界のプロたちが距離感ピッタリでアプローチを寄せるために意識していることは「初速を抑えること」だという。シングルハンディの腕前を持つイラストレーターの野村タケオが、実際に目澤が教えるアプローチの打ち方を試してみた。

みなさんこんにちは。ゴルフバカイラストレーターの野村タケオです。ゴルフのスコアを作るのはグリーン周りだと僕は思っています。アマチュアなんてそうそうパーオンしないわけですから、そこからいかに大叩きせず、あわよくばパーで上がるかってとこが勝負なんじゃないかと。でもアプローチは難しいじゃないっすか。なるべくシンプルで優しいアプローチができないものかと思うんです。

月刊ゴルフダイジェスト2月号に「距離感ピッタリのアプローチ」という記事がありました。そこには世界で主流となっている「初速がゆっくり」なアプローチの打ち方が載っていたので試してみました。

画像: 月刊ゴルフダイジェスト2022/12号で特集されていた、距離感ピッタリのアプローチを打つコツを実践!

月刊ゴルフダイジェスト2022/12号で特集されていた、距離感ピッタリのアプローチを打つコツを実践!

この記事で解説をしてくれているのは、松山英樹プロのコーチをしている目澤秀憲プロコーチ。目澤コーチによると、世界のトップ選手ほど、実はシンプルなアプローチで寄せているというのです。もちろんタイガーや松山プロも。世界では今、”初速を抑える”ことに注目しているそうなんです。振るスピードと出球のスピード(初速)をそろえることで距離感を合わせるのだとか。そのために必要なのが”ロフト通り”のインパクト。58度のウェッジならば、そのロフトなりに打てれば、フェースに乗る時間が増えるためにスピンが入って初速が落ちます。

画像: ロフト通りにインパクトすれば、初速を抑えたアプローチができるので、距離感が合いやすい。

ロフト通りにインパクトすれば、初速を抑えたアプローチができるので、距離感が合いやすい。

ロフトが立って当たってしまうと初速が速くなり、スピン量も少なくなってしまうわけですね。アマチュアはダフリが怖くて、ついついボールを右に置いてしまうので、入射角が鋭角になりロフトが立ってしまうんです。ゆるやかな入射角にすることで、ロフト通りに打ちやすくなり、結果として初速が抑えられたアプローチができるようになるわけです。

画像: ハンドファーストでロフトが立ったインパクトだと、初速が速くなってしまう

ハンドファーストでロフトが立ったインパクトだと、初速が速くなってしまう

どうすれば初速を抑えたアプローチが打てるのでしょうか? 目澤コーチによると大事なのは”左手首の使い方”だそうです。

テークバックでは体の回転とともにフェースを開くようにコックを入れていき、ダウンスウィングではコックをほどきながらヘッドを下ろします。そうすることで入射角がゆるやかになり、かつロフト通りにヘッドが下りてきます。インパクトではコックをほどいていくとともに手首のローテーションを入れてフェース面をスクエアに戻します。このときに左手首が手のひら側に降りるとロフトが立ってしまうので、アドレス時の手首の形に戻すイメージがいいそうです。そしてフォローではローテーションによって目標方向を向いた左手首の甲をそのまままっすぐ出すイメージ。体の回転とともに自然とフェースは返るので、それ以上フェースを返す必要はないそうです。

画像: 左手首の使い方に注意して、ゆるやかな入射角でロフト通りにインパクトする

左手首の使い方に注意して、ゆるやかな入射角でロフト通りにインパクトする

なんだか説明だけを読んでいると難しそうですが、とりあえずやってみました。ボールの位置はスタンスのほぼ真ん中にして、ハンドファーストにならないように構えます。インパクトでこの位置にフェースが戻ってくればロフト通りに打てるということです。

テークバックでフェースを開きながらコックを入れ、コックをほどきながらインパクトします。ゆるやかな入射角になるように、ヘッドを落としてくるような感じ。インパクトのときにシャフトが垂直になるようにイメージすると良いと思います。そうするとバウンスがスッと滑りながらボールを拾ってくれるようなインパクトになりました。自分でボールを拾うわけではなく、勝手に拾ってくれる感じですね。

上手く打てると低めの出球で、しっかりとスピンがかかったアプローチが打てます。初速も今までハンドファーストで打っていたアプローチよりもゆっくりで、ボールもちゃんと止まります。

画像: コースでもやってみましたが、いくつかの注意点を意識すれば、そこまで難しいアプローチではないです

コースでもやってみましたが、いくつかの注意点を意識すれば、そこまで難しいアプローチではないです

距離感は最初は少し合わなかったですね~。初速が遅いことで、今までのアプローチよりも飛ばないんですよ。なので、少し大きめに打つくらいの感じで距離感が合うようになりました。

このアプローチ、やってみると意外と難しくなくて、ソールが滑ってくれるのでチャックリのミスも少ないです。ただ、注意しなければいけないのは、手首を使いすぎること。インパクトでボールを上げるような動きをして、左手首が甲側に折れてしまうとトップのミスが出ます。僕はこのミスがけっこうありました。

また、せっかくシャフトをまっすぐにアドレスしても、インパクトでハンドファーストになってしまうとダフりのミスが出やすいです。フォローでフェースをターンさせすぎても引っかけが出たり、初速が速くなってしまうので、あくまでも自然なフェースターンを心がけましょう。

画像: (左)左手首が甲側に折れるとトップする。(中)インパクトでハンドファーストになると意味がない。(右)フェースターンが多すぎると初速が速くなってしまう

(左)左手首が甲側に折れるとトップする。(中)インパクトでハンドファーストになると意味がない。(右)フェースターンが多すぎると初速が速くなってしまう

今までアプローチって右つま先前あたりにボールを置いて、ハンドファーストに打つものだと思ってやってきたので、この打ち方には驚きました。ロフト通りにインパクトするとポッコンと上がってしまうのかと思いましたが、しっかりとスピンがかかったので驚きです。しかも世界のトッププロたちがこんな打ち方をしているということにも驚きました。やはりプロもシンプルでミスが少ない打ち方を選んでるんですね。

記事には、この打ち方をマスターするための片手打ちドリルなんかも載っていたので、もっと詳しく知りたい方はぜひ月刊ゴルフダイジェストでチェックしてみてください。

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