
2023年初戦、セントリー・トーナメント・オブ・チャンピオンズに現れたシェフラーが語ったのは……(写真/Getty Images)
昨年末マスターズ委員会の会長フレッド・リドリー氏が「卓越したゴルファーが最高の技を競う大会の原則は守る」としてPGAツアーから出場資格を剥奪されているLIVゴルフのプレーヤーの参戦を認めることを発表した。
オフをテネシー州で過ごした昨年の覇者シェフラーは、この発表があった直後、偶然マスターズ2勝のバッバ・ワトソンにレストランで遭遇した。ワトソンはLIVに移籍しているが、かといって2人が仲たがいしているわけではない。
マスターズチャンピオン同士、大会前のチャンピオンズディナーが話題になり、その場で今年ホスト役を務めるシェフラーは「メニューも考えているけれどバッバには特別におひとり様用のテーブルを用意するよ」と語ったという。
「もちろんジョーク、冗談」と笑うシェフラーだがホストを務める上でLIVゴルファーをどう扱うかは大きな問題。重鎮のジャック・ニクラスやゲーリー・プレーヤー、トム・ワトソンらはLIVに対して良い感情を持っていない。タイガー・ウッズも然り。表面上は大人の対応をするのだろうが随所に皮肉が飛び交うことになるかもしれない。
なかでも声高にPGAツアー批判を繰り返すLIVの問題児セルヒオ・ガルシアとLIVを「あれはゴルフの競技とはいえない」と全否定するフレッド・カプルスが隣同士に座れば一触即発の危険性も。
どんな雰囲気になるのか心配されるなかシェフラーの「おひとり様」発言はなかなか気が利いている。昨年ホストを務めた松山英樹は得意ではない英語のスピーチを暗記することに心を砕いたが、シェフラーは席順に苦心しなければなさそうだ。
ちなみに松山主催のチャンピオンズディナーは大御所から若手まで「これまでで最高だった」と好評を博している。前菜に寿司と焼鳥、メインは銀ダラの西京焼きと宮崎牛、最後はイチゴのショートケーキで締める内容に参加者一同舌鼓を打った。もちろん和気藹々とした雰囲気も「最高だった」と皆が口を揃えた。
果たして今年のチャンピオンズディナーはどうなるのか? 開幕戦にはディフェンディングチャンピオンでLIVに移籍したキャメロン・スミスの姿はなかった。「僕のロッカーの隣がキャム(スミス)のロッカーだったから(不在は)少し違和感がある。寂しい気もする」とシェフラー。彼にとって今年のマスターズはゴルフ以外の悩みが大きくなりそうだ、