テーラーメイドから2023年モデルの新製品「STELTH2」(ステルス2)シリーズが発表された。カーボンフェースを採用した「STELTH」から一体どんな進化をしたのか? みんなのゴルフダイジェスト編集部員プロゴルファー中村修のインプレッションを最速でお届け!

恒例になった新年早々の新モデル発表ですが、これまでの金属のフェースから60層に重ねたカーボンフェースを採用して話題となった前作の「STELTH」(ステルス)から1年が経ち「STELTH2」が発表されました。

画像: テーラーメイドから「ステルス2」ドライバーの3モデルが2023年1月11日に発表された

テーラーメイドから「ステルス2」ドライバーの3モデルが2023年1月11日に発表された

早速、先週のPGAツアー「セントリー・トーナメント・オブ・チャンピオンズ」でコリン・モリカワが投入し結果を残しました。これまで2世代前の「シム」を使っていたコリンが「ステルス2 プラス」を投入したということは、飛距離とコントロール性能の高さを認めからこそでしょう。

新しくなって何が変わったかというと、クラウン部のカーボンがマット仕上げからツヤありになったこと。機能面ではソールにもカーボンを採用したことで余剰重量を増やし重量配分が変わったこと。それによって慣性モーメントが増大し芯を外した際の弾道のブレが少なくなったといいます。

画像: カーボンフェースにチタンフレームを採用しクラウンとソールをカーボンで挟み余剰重量を効果的に配分した「ステルス2」(写真はステルス2)

カーボンフェースにチタンフレームを採用しクラウンとソールをカーボンで挟み余剰重量を効果的に配分した「ステルス2」(写真はステルス2)

例えば「ステルス2プラス」のフェース側にある可変ウェートは前作の10グラムから15グラムに増量されていますし「ステルス2」、「ステルス2HD」でも同様にウェートの重量を増やしていて、その搭載位置からも重量配分がよりはっきりと見て取れるようになっています。

画像: 左は2022年モデルの「ステルスプラス」で右が2023年モデルの「ステルス2プラス」

左は2022年モデルの「ステルスプラス」で右が2023年モデルの「ステルス2プラス」

そしてフェース裏側の設計も新しくしたことでスイートエリア、高初速エリアの拡大を実現したというもの。

前作の「ステルス」では、ややピーキーな性格で使い手を選ぶともいわれていました。しかし、今回3モデルを試打してみると、そのピーキーさ、つまり芯を外した際の飛距離の落ち込みや曲がり幅は大きく改善されていると感じました。

「ステルス2」「HD」「プラス」の3モデルをヘッドスピード45m/s、±1度以内のほぼストレートな軌道で試打し、トラックマンで計測しました。

「ステルス2」の10.5度から打ってみました。カーボンフェースの柔らかな打感はそのままに、明らかに球の上がりやすさと安定した弾道でやさしさを感じます。芯をわずかに外した際にも飛距離の落ち込みや曲がり幅が少なく前作よりも芯が広くなったのは間違いないようです。

画像: ステルス2の10.5度をヘッドスピード45m/sで打ったドラックマンデータを見ると打ち出し角の高さと安定した方向性が前作を上回った

ステルス2の10.5度をヘッドスピード45m/sで打ったドラックマンデータを見ると打ち出し角の高さと安定した方向性が前作を上回った

続いてドローバイアスの「ステルス2HD」の10.5度。しっかりとドローバイアスが効いていてスタンダードモデル「ステルス2」と同じように打ったつもりでも軽いドローを描き、よくつかまって球も上がりやすく感じました。

画像: ステルス2HDをヘッドスピード45m/sで打ったトラックマンデータを見ると、打ち出し角の高さとつかまったドローボールが見て取れる

ステルス2HDをヘッドスピード45m/sで打ったトラックマンデータを見ると、打ち出し角の高さとつかまったドローボールが見て取れる

最後に「ステルス2プラス」。3モデルの中で最も少ないスピン量で飛距離性能も高いモデル。前作よりも楽に飛距離も方向性も確保できたことで、かなりの好感触になりました。新しく採用された純正シャフトのディアマナは、適度なしなりと走り感で振り抜きやすくヘッドスピード45m/sくらいでも頼りなさは感じられませんでした。

画像: 「ステルス2プラス」のトラックマン試打データ。ヘッドスピードに対する初速の割合(スマッシュファクター)が高く飛距離性能の高さと低スピンの性格が見て取れる

「ステルス2プラス」のトラックマン試打データ。ヘッドスピードに対する初速の割合(スマッシュファクター)が高く飛距離性能の高さと低スピンの性格が見て取れる

3モデルに共通するのは、カーボンフェースにチタンフレーム、その上下をカーボンで挟む構造。カーボンフェースはチタンよりも約20グラムも軽く、たわみのない頑丈な構造なのでフェースをたわませて飛ばす他メーカーとはまったく異なります。

たわまないフェースでどうやってボール初速を確保しているのかというと、約200グラムのヘッド重量のうち10%程度の軽いフェースの周辺に残りの90%の重量を適所に配分し、その重量がボールを押すことで衝突したエネルギーをロスなくボールに伝達できるといいます。

画像: 左からドローバイアスの「ステルス2HD」スタンダードモデルの「ステルス2」、ロースピンで飛距離性能の高い「ステルス2プラス」

左からドローバイアスの「ステルス2HD」スタンダードモデルの「ステルス2」、ロースピンで飛距離性能の高い「ステルス2プラス」

チタンに代わるカーボンフェースを採用したドライバー「ステルス」の第二弾、まずは試打してみることをお勧めします。

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