恒例になった新年早々の新モデル発表ですが、これまでの金属のフェースから60層に重ねたカーボンフェースを採用して話題となった前作の「STELTH」(ステルス)から1年が経ち「STELTH2」が発表されました。
早速、先週のPGAツアー「セントリー・トーナメント・オブ・チャンピオンズ」でコリン・モリカワが投入し結果を残しました。これまで2世代前の「シム」を使っていたコリンが「ステルス2 プラス」を投入したということは、飛距離とコントロール性能の高さを認めからこそでしょう。
新しくなって何が変わったかというと、クラウン部のカーボンがマット仕上げからツヤありになったこと。機能面ではソールにもカーボンを採用したことで余剰重量を増やし重量配分が変わったこと。それによって慣性モーメントが増大し芯を外した際の弾道のブレが少なくなったといいます。
例えば「ステルス2プラス」のフェース側にある可変ウェートは前作の10グラムから15グラムに増量されていますし「ステルス2」、「ステルス2HD」でも同様にウェートの重量を増やしていて、その搭載位置からも重量配分がよりはっきりと見て取れるようになっています。
そしてフェース裏側の設計も新しくしたことでスイートエリア、高初速エリアの拡大を実現したというもの。
前作の「ステルス」では、ややピーキーな性格で使い手を選ぶともいわれていました。しかし、今回3モデルを試打してみると、そのピーキーさ、つまり芯を外した際の飛距離の落ち込みや曲がり幅は大きく改善されていると感じました。
「ステルス2」「HD」「プラス」の3モデルをヘッドスピード45m/s、±1度以内のほぼストレートな軌道で試打し、トラックマンで計測しました。
「ステルス2」の10.5度から打ってみました。カーボンフェースの柔らかな打感はそのままに、明らかに球の上がりやすさと安定した弾道でやさしさを感じます。芯をわずかに外した際にも飛距離の落ち込みや曲がり幅が少なく前作よりも芯が広くなったのは間違いないようです。
続いてドローバイアスの「ステルス2HD」の10.5度。しっかりとドローバイアスが効いていてスタンダードモデル「ステルス2」と同じように打ったつもりでも軽いドローを描き、よくつかまって球も上がりやすく感じました。
最後に「ステルス2プラス」。3モデルの中で最も少ないスピン量で飛距離性能も高いモデル。前作よりも楽に飛距離も方向性も確保できたことで、かなりの好感触になりました。新しく採用された純正シャフトのディアマナは、適度なしなりと走り感で振り抜きやすくヘッドスピード45m/sくらいでも頼りなさは感じられませんでした。
3モデルに共通するのは、カーボンフェースにチタンフレーム、その上下をカーボンで挟む構造。カーボンフェースはチタンよりも約20グラムも軽く、たわみのない頑丈な構造なのでフェースをたわませて飛ばす他メーカーとはまったく異なります。
たわまないフェースでどうやってボール初速を確保しているのかというと、約200グラムのヘッド重量のうち10%程度の軽いフェースの周辺に残りの90%の重量を適所に配分し、その重量がボールを押すことで衝突したエネルギーをロスなくボールに伝達できるといいます。
チタンに代わるカーボンフェースを採用したドライバー「ステルス」の第二弾、まずは試打してみることをお勧めします。