クラブフィッターの小倉です。今回は、冬のゴルフのちょっとした工夫について。気温が低い冬は、夏と比べていろいろと環境が変わってきます。寒さのために体の柔軟性が下がったり、関節の可動域が狭くなったりしますし、重ね着のためにいつものスウィングがしにくくなりますよね。
また寒さは、道具にも結構な影響を与えます。大きな影響を受けるもののひとつがボールです。ボールの主成分はゴムでできているため、気温が下がると、硬くなってしまい本来の性能を発揮しづらくなります。最近のボールは、昔のボールに比べてだいぶ気温による性能差はなくなってきているようですが、それでも多少の飛距離やスピン性能は低下します。さらに重ね着や体の固さが、シャフトのしなりを使いにくくさせます。冬は飛ばない条件が揃っているのです。
冬でも安定したプレーをしたいと考える方は、普段よりコンプレッションの低い、やわらかいボールがおすすめです。気温による硬質化は同じですが、普段より、やわらかめを選ぶことで、気温の高いときに近いフィーリングが得られます。また、やわらかめのボールは、高く打ち出しやすくなるため、キャリーを出しやすくなります。同様に重ね着対策としてシャフトを1フレックスやわらかめにするのもおすすめですが、シャフトをもう1本用意するにはそれなりにお金がかかりますから、比較的手軽にチェンジできるボールは、有効な寒さ対策と言えるでしょう。
ボールのやわらかさは、ひと昔前までコンプレッションと呼ばれる値で表記されていましたが、最近ではほとんど使われなくなりました。現在では、箱などにメーカーごとの基準でどのくらいの硬さなのかが記載されています。メーカーをまたいで、やわらかさを比較することは難しくなりましたが、大まかな基準にはなりますのでチェックしてみてください。ちなみに気温が低い時に、ボールを温めると飛距離が伸びると言われていますが、故意に温めるとルール違反になりますのでご注意を。
冬のゴルフは、芝も枯れてラフが落ち着きますし、グリーンも凍ってさえいなければ、極端に難しいコンディションにはなりません。飛距離は出にくくなりますが、しっかり対策すれば、楽しくプレーができますよ。