ピンのパターといえば、あらゆるパターメーカーがリスペクトし、オマージュされる「アンサー」や「アンサー2」といったピン型の原型を開発してきた技術力、そしてツアーでの実績は疑う余地のないもの。そのピンから昨年発売されたPLDミルドパターは「パッティング・ラボ・デザイン」(ピン本社パター研究開発室)で開発され、これまでツアープロにしか提供されて来なかったステンレスの塊から削り出した特別なモデルだ。
昨年発売の「アンサー」、「アンサー2」、マレット型「DS72」、ツノ型「プライムタイン」の4モデルに加えて、マットブラックの「アンサー2」、ソール幅の広い「アンサーD」、小ぶりなマレット「オスロ4」が追加でラインナップされた。
これまでのモデル同様、追加モデルにも共通するのは、すべて鍛造したステンレス303の塊から削り出された完全削り出しであることと、フェースにミーリングされた「ディープAMP溝」によって転がり、打感、打音といったパターに求められる究極を追い求めたモデルだというところ。
試打したスペックは3モデルともマットブラック仕上げでカーボンシャフト装着モデル、長さは34インチ、ロフトは3度、ライ角70度(標準)。
それではピン型の原型となった「アンサー」を進化させ、直線基調にした「アンサー2」から中村のインプレッションを聞いてみよう。
アンサー2は見た目も打感もシャープ
「マットブラック仕上げのアンサー2はとにかくカッコよくて、これで入らなければ道具のせいではなく自分のせいだと割り切れます。構えた見た目、打感、転がりは文句のつけようがありませんが、芯を外したときのミスヒットには距離や方向性のバラつきがあり反応はシビアに出ます」(中村修、以下同)
ストロークの安定感や芯でヒットする感覚の鋭さが必要だが、研ぎ澄ましたフィーリングを生かせるモデルだといえよう。「アンサー2」のヘッド重量は350グラムだから現代のパターヘッドの重量としては標準的な重さだ。
アンサーDはピン型にやさしさをプラス
「アンサーD」はピン型のシャープな構えやすさにやさしさをプラスしたモデルだという。
「ソール幅の広いアンサーDの特徴は二つ。ソール幅が広くなったことで座りが良い点と、とてもターゲットに対してスクェアに構えやすい点です。前述のアンサー2と比べてマレット型のオートマチック感がプラスされ、やさしいピン型としてかなり気に入りましたね」
直線基調のヘッドのメリットは、ターゲットに対してスクェアに構えやすいこととヘッドの幅でカップまでのラインをイメージしやすい点にある。ソール幅を広くしたことで慣性モーメントも増大しヘッド重量も365グラムとやや重めである点もミスヒットにも強くなっている要因だろう。
オスロ4は座りとストロークの安定感が抜群
「小ぶりなマレット型ですがヘッド重量は375グラムと重め。そのため打感にも重厚感があってヘッドの重さを感じながらボールをゆっくりと押すように安定したストロークができます。3モデルの中では最もミスヒットに強いモデルです」
マレット型でありながらストレートなシャフトに短めのスラントネックが装着されているから、ストローク中に自然な開閉が得られるアークタイプに分類される。ショートしがちなプレーヤーにおススメしたいモデルだと中村。
いずれのモデルも価格は66,000円(税込み)と決して安価なモデルではないが、ライ角は±4度の調整が可能で長さも31~36インチまでカスタム対応しているのもありがたい。
2023年のエースになる自分だけの一本が見つかりそうだ。