ラウンド中はコースのみならず、気温や風向きといった自然の環境要素もゴルファーたちを苦しめる障害になり得る。とくに冬場の場合、太陽高度が低くなる影響で逆光が起こりやすくなり、これがショットにも影響を与えてしまうと兼濱は言う。
「逆光の眩しさは、どうしても体が反応してしまいがちです。眩しい方向に目を向けたくないがために上手くフォロー以降の動きができず、結果インパクト付近でスウィングにブレーキがかかってしまう、なんてことが起こりやすいです。するとスピン量が急激に増え過ぎて吹け球になったり、プッシュしたりといったミスにつながってしまいます」(兼濱、以下同)
また、単純な逆光だけでなく「ウェッジなどロフトの寝た番手のフェース面に反射して起こる逆光も厄介ですね」と兼濱は続ける。
「ボールを見ようにもフェースが眩しいわけですから、逆光を嫌がってアドレスが崩れてしまいます。とくに冬場は空気もクリアで逆光の度合いも強いですから、構えた瞬間から『これは打てない、もう無理だ』と感じてしまいますよね」
では逆光に惑わされずいつも通りに構えて振るためにはどうすればいいのか。兼濱は「とにかくリズムよくフィニッシュを決めることだけを考えましょう」という。
「極端な話、スパットを見つけてこのラインに打っていこうと決めてアドレスした時点で、ボールが見えていても見えなくとも、飛んでいく方向はある程度決まっているはずです。なので逆光に限らずすべてのショットに言えることですが、リズムよく振ってフィニッシュを決めることに集中するのが大事です。イレギュラーなことだからこそ、大事なのは『いつも通りの自分になれるかどうか、当てに行くのではなく当たるスウィングができるか』。ちゃんとショット前の連続素振りやルーティンの段階で確認し決めたことをしっかり実行することですね」
もちろん道具による対策も有効だ。ウェッジの照り返しが気になるのなら「ノーメッキや黒メッキといった、光を反射しづらい仕上げのモデルに変更するのが効果的ですよ」と兼濱。またシンプルにサングラスを用意し眩しさを軽減することも有効だが「もしサングラスをかけることで対策するつもりなら注意しておきたいことがあります」という。
「目ってすごくデリケートで情報量も多いので、見え方がちょっと変わるだけでも体の反応は変わってしまいます。逆光による影響もそうですが、サングラスをかけることによる視界の変化もまた然りです。コースで逆光対策でサングラスをかけるなら、眩しいときだけかけるのではなく、普段の練習からずっとサングラスをかけておくのがオススメですよ」