冬のコースは地面が硬く芝も枯れて薄いため、とくにアプローチに機会が多いことだろう。枯れ芝からアプローチをする際に、まず気を付けるべきことは「ボール周りの状況をしっかり確認することです」と兼濱は言う。
「冬は芝が枯れているため、芝の上にボールが乗らず地面との隙間がない場合があります。するとバウンスが跳ね過ぎて上手くボールをとらえられなくなってしまいます。逆に、枯芝とはいえ意外とボールが浮いていて、抜けてしまったりなんてこともあります。なのでまずはしっかりとヘッドを擦るように素振りを行って、手に伝わる感覚から芝生がどのくらい生い茂っているかを確認することが大切です。素振りだけでなく目視での確認も行うといいですね」(兼濱、以下同)
これらのチェックを行うことで、地面からどれくらいボールが浮いているのか、そしてスウィングした際の芝の抵抗感なども確認できる。「とくにラフだと冬でも生い茂っているように見える場合がありますが、芝が枯れていることで見た目より抵抗感がなかったりします。どのくらい芝の抵抗でヘッドが減速するかで振り幅も変わってくるので、見極めが重要ですね」という。
「実際に素振りをしてみて、ボールと地面の間に隙間がなくバウンスが跳ねてしまいそうなら、なるべく転がしに徹したほうがいいと思います。逆に芝が意外とあって普段通り打てるな、というときにはボールをある程度拾うように打ってもいいでしょう」
そして普段からボールの状況をしっかりと確認するクセを付けるために「実況中継を参考にするといいですよ」と兼濱。
「ゴルフの中継を観ていると『いやちょっと沈んでるね~』とか『ちょっと逆目だねあそこは。ちょっと難しいよ』みたいなコメントを耳にすると思います。これを真似して『意外に芝生と地面との間にスペースがあるな』だったり『バウンスが跳ねなさそうだからいつも通り打とう』というように自分でボールの状況を実況中継して、ボール・ライの状況を明確にするのはオススメですね。上級者であればもはや実況中継するまでもなく、見たら大体分かるようになってくると思うんですけど、でも僕たちはそうじゃないので。これは枯れ芝からのアプローチに限らず大事なことですね」