昨年新しいゴルフサーキットがスタートしてから男子のゴルフ界は分断された。「LIVゴルファーの顔も見たくない」というアンチも多いがジョーダン・スピースの思いは違うようだ。PGAツアーのAT&Tペブルビーチプロアマに出場している彼が語ったDJことダスティン・ジョンソンへの思いとは?

LIVに移籍した選手とPGAツアープレーヤーの間に確執と論争が巻き起こる中、スピースは数々のドラマを演出してきた海沿いの名コース、ペブルビーチGLに立ちある人物の不在を嘆いた。

「ダスティン・ジョンソンはここで何度も優勝し、ツアーで20勝以上を挙げている(24勝)殿堂入りプレーヤー。(プロアマ形式の)このイベントが大好きでいつもウェイン・グレツキー(元アイスホッケーのスーパースターで義父)とペアを組んで参戦していました。確か8、9年僕ら(スピースとアマチュアのパートナー)と一緒の組でプレーして楽しい時間を共有したものです」とスピース。
ジョンソンは09年&10年と今大会で連覇を飾ったほか出場13回中ベスト10入り8回と海風が吹く難コースを得意としていた。

画像: LIVゴルフへ移籍したダスティン・ジョンソン(右)を恋しがるジョーダン・スピース(左)(撮影/Blu Sky Photos)

LIVゴルフへ移籍したダスティン・ジョンソン(右)を恋しがるジョーダン・スピース(左)(撮影/Blu Sky Photos)

「(LIVゴルフに移籍した)他の選手も恋しいけれどDJは特に恋しいです。彼は誰にも迷惑をかけていないし何か論争を巻き起こしたこともない。殿堂入りだし全米オープンとマスターズのチャンピオンでもある。そして何より僕の友達です。試合で一緒にプレーすること、彼のそばにいることを心から楽しんでいました」

太平洋の荒波洗う断崖が海へと迫り出す風光明媚なコースで、スピースとジョンソンはアマチュアのパートナーたちとジョークを飛ばし合いながら真剣勝負を楽しんだという。

ジョンソンが不在だった昨年の大会3日目、スピースはペブルビーチの名物8番ホールでティショットを眼下に海が広がる崖に打ち込んだ。

「危険。断崖絶壁」の看板が立つ地上20メートルの高所から海超えのショットを放ちグリーンを射止めパーをセーブしたのだが、一歩間違えば崖から落ちて命を堕としてもおかしくない状況だった。それだけに、のちに本人も「あんな無謀なことやるべきじゃなかった」と振り返ったが、穏やかな見た目とは違って一か八かのギャンブル性の高いゴルフが持ち味のスピースらしい1打だった。

その日63をマークしリーダーボードを駆け上がり、最終日もスコアを伸ばして勝ったトム・ホギーに2打差の単独2位に食い込んだのだが、あまりにも印象的なプレーだっただけにスピースは今年も本命のひとりに推されている。しかし今年の大会初日は61位タイと出遅れた。それでもリスクを顧みない攻めのゴルフで2日目以降何かやってくれるに違いないと思わせてくれる。それが彼の魅力でもある。

ペブルビーチを去ったジョンソンに代わってスピースが主役に躍り出るか!?

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