フィル・ミケルソンが「LIV対PGAツアーの対抗戦」を盛んに提案しているが、まるで代理戦争のような戦いが現実にアジアンツアーで繰り広げられた。
上位に顔を揃えたのはアンサーのほかポール・ケイシー、マーク・リーシュマン、ホアキン・ニーマン、マシュー・ウルフらPGAツアーを離れLIVに移った選手たち。そしてアンサーは初日から首位をキープし最終日ヤングに一瞬並ばれたものの楽々と逃げ切り2打差の勝利を収めた。
「すごく楽しかった。完全優勝は初めての経験なので気分がいいです」とメキシコ出身のアンサー。プレジデンツカップで松山英樹のチームメイトだった彼は「毎日いいプレーができた。(トップスタートだったけれど)20位スタートなんだと自分にいい聞かせてリーダーボードは一切見ずに最後まで自分のゴルフに徹しました。上手くゲームをコントロールできたと思う」。
LIVのイベントは3日間54ホール決着のため「ゴルフにあらず」と批判されことが多いが、アンサーはLIVゴルファーでも4日間を戦い抜くことができることを証明した。
とはいえ前週DPワールドツアー(欧州ツアー)のヒーロー・ドバイ・デザート選手権では予選落ちに終わっており「(前週は)23年初戦だったので自分のゴルフが錆びついていると感じました。でも1週間で持ち直し今週はボギーが2つだけ。ショット的にはこれまでの最高の出来だった」と自画自賛した。
今大会はLIVの資金源となっているサウジアラビアのファンドがアジアンツアーに多額の投資をおこなっているためLIV勢が大挙して参戦したのが、もちろんLIVゴルファー全員が好調だった訳ではない。ミケルソン、ブライソン・デシャンボー、キャメロン・スミスらは予選落ちを喫している。
PGAツアーのメンバーは3名しか出場していなかったが2位のヤングの他、単独3位に昨年ルーキーながら1勝を挙げているルーカス・ハーバートが入り面目を保った格好だ。
前週のドバイでは反LIVの代表ローリー・マキロイとバリバリのLIVゴルファー、パトリック・リードが1、2フィニッシュして話題になった。マキロイは「僕はお金じゃなくレガシーのために戦っている」とLIV勢を牽制。2試合続けてLIV対PGAツアーの互いに負けられない戦になったのは偶然か? はたまた必然か?
今年14試合の開催を予定しているLIVゴルフは2月24日開幕のマヤコバ招待から23年シーズンをスタートさせる。