アジアンツアーで興味深い出来事が起こった。昨年LIVゴルフに移籍したアブラハム・アンサーが世界ランク17位のPGAツアープレーヤー、キャメロン・ヤングとの激しい優勝争いを制し、PIFサウジインターナショナルで優勝を飾ったのだ。

フィル・ミケルソンが「LIV対PGAツアーの対抗戦」を盛んに提案しているが、まるで代理戦争のような戦いが現実にアジアンツアーで繰り広げられた。

上位に顔を揃えたのはアンサーのほかポール・ケイシー、マーク・リーシュマン、ホアキン・ニーマン、マシュー・ウルフらPGAツアーを離れLIVに移った選手たち。そしてアンサーは初日から首位をキープし最終日ヤングに一瞬並ばれたものの楽々と逃げ切り2打差の勝利を収めた。

画像: アジアンツアーで繰り広げられたLIVゴルフvs米ツアー、優勝したのはアンサー。このように強い選手がしのぎを削り合うのはいいことなのだが(写真は2023年PIFサウジインターナショナル 撮影/Getty Images)

アジアンツアーで繰り広げられたLIVゴルフvs米ツアー、優勝したのはアンサー。このように強い選手がしのぎを削り合うのはいいことなのだが(写真は2023年PIFサウジインターナショナル 撮影/Getty Images)

「すごく楽しかった。完全優勝は初めての経験なので気分がいいです」とメキシコ出身のアンサー。プレジデンツカップで松山英樹のチームメイトだった彼は「毎日いいプレーができた。(トップスタートだったけれど)20位スタートなんだと自分にいい聞かせてリーダーボードは一切見ずに最後まで自分のゴルフに徹しました。上手くゲームをコントロールできたと思う」。

LIVのイベントは3日間54ホール決着のため「ゴルフにあらず」と批判されことが多いが、アンサーはLIVゴルファーでも4日間を戦い抜くことができることを証明した。

とはいえ前週DPワールドツアー(欧州ツアー)のヒーロー・ドバイ・デザート選手権では予選落ちに終わっており「(前週は)23年初戦だったので自分のゴルフが錆びついていると感じました。でも1週間で持ち直し今週はボギーが2つだけ。ショット的にはこれまでの最高の出来だった」と自画自賛した。

今大会はLIVの資金源となっているサウジアラビアのファンドがアジアンツアーに多額の投資をおこなっているためLIV勢が大挙して参戦したのが、もちろんLIVゴルファー全員が好調だった訳ではない。ミケルソン、ブライソン・デシャンボー、キャメロン・スミスらは予選落ちを喫している。

PGAツアーのメンバーは3名しか出場していなかったが2位のヤングの他、単独3位に昨年ルーキーながら1勝を挙げているルーカス・ハーバートが入り面目を保った格好だ。

前週のドバイでは反LIVの代表ローリー・マキロイとバリバリのLIVゴルファー、パトリック・リードが1、2フィニッシュして話題になった。マキロイは「僕はお金じゃなくレガシーのために戦っている」とLIV勢を牽制。2試合続けてLIV対PGAツアーの互いに負けられない戦になったのは偶然か? はたまた必然か?

今年14試合の開催を予定しているLIVゴルフは2月24日開幕のマヤコバ招待から23年シーズンをスタートさせる。

This article is a sponsored article by
''.