前回、テーラーメイドのニュードライバー「ステルス2」と「ステルス2 HD」を比較したゴルフステージ成城のクラブナビゲーター・吉田朋広。今回はこの2モデルで新旧比較してみた。

「ステルス2」を「ステルス」と比較

最初に目がいくのはやはりカラーリングですね。「ステルス2」が艶ありのブラックに対して「ステルス」はマットブラックです。構えた感じは「ステルス2」がストレートなフェースアングル、「ステルス」がややトウ側が逃げていてオープンフェースに見えます。そのせいか「ステルス2」よりも、「ステルス」はロフトが寝ているように見えます。

ライ角はスタンダードポジションで同じ56度ですがクラウン部分の頂点がややヒールよりになった影響で「ステルス2」の方が若干フラットに感じます。ソールの形状は結構違いがあります。「ステルス2」は「SIM2 MAX」に似たデザインでバックフェース回り込むように配置されたレッドカラーのカーボンコンポジットリングと25グラムのタングステンバックウェイトが印象的です。打ち比べてみました。

打球感はどちらもカーボンフェースを感じさせない弾き感がありますが、ほんの少しだけ「ステルス2」の方が弾く感じがあります。ですが微妙な違いですので、使用ボールや装着シャフトによって変化するでしょう。ヘッドの挙動は「ステルス」は操作性の良さを感じますし「ステルス2」には安定感がプラスされたイメージがあります。「ステルス2」はヘッドの慣性モーメントが大きくなっているのを確実に感じとることができます。

安定性を求めるなら「ステルス2」を、操作性を求めるなら「ステルス」を選ぶのが良いでしょう。

弾道の高さは「ステルス2」の方が高く出ますね。ソール後方に配置されたタングステンウェイトの効果で重心深度が若干深くなっているのでしょう。バックスピン量はどちらも少なめですが、やや「ステルス2」が多いように思います。基本の球筋はどちらもストレートからややフェードですが、フェードでの曲がり幅は「ステルス2」よりも「ステルス」の方が大きいです。

ミスヒット時の寛容性は「ステルス2」が上という印象です。特にトウ寄りでヒットした際のボールスピードもセンターヒット時とあまり変わらず、センターよりも若干ヒールにヒットした際も飛距離は落ちるものの、大きなミスに見えにくい感じですね。

「ステルス2」も「ステルス」もボールスピードも飛距離性能も、センターヒット時は大きく変わることはないと思いますが、「ステルス」でボールの上がりにくさとつかまりにくさを感じていた方はボールのつかまり感がある「ステルス2」の方がサイドスピン量が減少することで飛距離が出るという方がいると思います。

「ステルス2」は「ステルス」の尖った部分を修正してより扱いやすく進化させたヘッドに仕上がっていると思います。

画像: テストヘッドは「ステルス2」、「ステルス」ともにロフト角度9度、シャフトはTENSEI REDTM 50 フレックスS

テストヘッドは「ステルス2」、「ステルス」ともにロフト角度9度、シャフトはTENSEI REDTM 50 フレックスS

「ステルス2 HD」を「ステルス HD」と比較

「ステルス2 HD」と「ステルスHD」はハイドローからネーミングされたドローバイアスモデルです。ヘッドカラーの違いは「ステルス2」と「ステルス」同様ですが、構えた時にすぐ感じるのはフェースアングルの違いですね。

ストレートフェースの「ステルスHD」に比べて「ステルス2HD」はややフックフェースです。
ライ角も違いますね。「ステルス2 HD」はスタンダードポジションで58度と「ステルスHD」の56度よりも2度アップライトになっています。

ドローバイアス設計モデルだというのが見た目でも分かりやすい感じがします。「ステルス2 HD」は「ステルスHD」よりもネックが少し短く、カーボンコンポジットリングとバックフェースの30グラムのタングステンウェイトが採用されているのも大きな違いです。

打ち比べてみると「ステルスHD」はストレート系の弾道で飛んでくれます。対して「ステルス2 HD」はややつかまったドロー回転が入った弾道です。

カーボンフェースの打球感は「ステルス2 HD」がほんの少し弾き感があるように感じました。ボールの上がりやすさは「ステルス2HD」。数ミリシャローになったフェース高や、30グラムのタングステンウェイトの影響で、あきらかに深くなった重心深度でヘッドが自然にアッパーブロー気味のインパクトになりやすいのもあるのでしょう。練習場に設置されているトップトレーサーの測定値でも「ステルスHD」よりも1度から2度、打ち出が高くなっていました。

ドローバイアスモデルらしく右へ抜けにくく、基本の弾道はやや左にいくドローボールですので、つかまりに関しては「ステルス2 HD」の方が良いでしょう。操作性に関しては「ステルスHD」の方が気持ち良くボールをコントロールできる感じがありますね。自分で弾道をコントロールしたい方は「ステルスHD」が振りやすいでしょう。

「ステルス2 HD」は「ステルスHD」に比べて重心が深くなっていて、ネック軸回りの慣性モーメントも高くなっていますので、ヘッドの挙動もおだやかで安定感がアップしてます。スイートエリアも拡大されているので打点ブレにおけるミスヒットに対しての寛容性は高いです。

結果、平均飛距離や方向安定性は「ステルス2 HD」が「ステルスHD」を上回ると思います。飛距離性能についてほとんど変わらないでしょう。ただ、打点ブレが多い方、スライス回転が多めに出る方は「ステルス2 HD」の方が確実にスライス回転が低減する分飛距離は出ると思います。

「ステルス」シリーズと「ステルス2」シリーズを打ち比べてみて感じたのは、思っていたよりも多くの違いがあるなと思いました

特に「ステルス2 HD」はこれ以上安定性をプラスすると「ステルス2」らしさがなくなってしまうくらい、ドローバイアスモデルとして可能な限りやさしさをプラスしたヘッドに仕上がっていると思います。
「ステルス」シリーズに興味はあるももの、手強いと思って避けていた方は「ステルス2」シリーズをぜひ試して欲しいと思います。

画像: テストヘッドは「ステルス2HD」、「 ステルスHD」ともにロフト10.5度、シャフトはTENSEI RED TM50 フレックスS

テストヘッドは「ステルス2HD」、「 ステルスHD」ともにロフト10.5度、シャフトはTENSEI RED TM50 フレックスS

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