「TSR1」は昨年発売されたTSRシリーズの軽量モデルです。
初代は「TS1」、そして「TSI1」 と続くタイトリストのドライバーラインナップで最も軽量のモデルになります。ロフトは9 、10 、12度の3ロフト。オリジナルシャフトは50グラムの「TSP120」でフレックスはS 、SR、R に加えレディス用のLフレックスが用意されています。クラブレングスは45.75インチです。
一般的にクラブ重量290グラム以下が軽量ドライバーのスタンダードですが、「TSR1」はどうでしょう、まず総重量を計ってみました。
「TSP120」のSR装着モデルで270グラムでした。ちなみにヘッド重量は186グラムで軽量ドライバーの中でも軽い部類のクラブに仕上がっています。
ヘッドカラーは「TSR」シリーズ同様の光沢のあるブラックで軽量ドライバーを感じさせない重厚なイメージに感じます。ヘッド後方にストレッチされた深重心形状ですが、6グラムのウェイトを搭載しているバックフェース部分はわりと高さがあり、重心は少し高く設計されていると思います。クラウン部分がなだらかなのでややフラットに感じますが、ライ角度は59度あります。ストレートなフェースアングルと丸みのないフェースはターゲットにセットしやすく構えやすいですね。45.75インチと長めの設定ですが、実際よりも短く見えますね。
実際に打ってみました。
軽量クラブらしく、スピード感のある振り抜きです。「TSR1」最大の特長の「ライトウェイト設計」は振り始めから体感できますね。純正シャフトの「TSP120」は手元側に張りがあって中間から先端部分にかけて動き、インパクトエリアでボールをしっかりとらえてくれます。非常にスピード感のある振り心地で、インパクトエリア以降もスピードが落ちることなくフィニッシュまで気持ち良く振り抜けます。
スウィング中にヘッドポジションも感じやすいですね。ドローバイアス設計のヘッドですが、インパクトエリアで勝手にヘッドが左に動く感じではなく、プレーヤー自身がヘッドポジションを感じながらコントロールしやすいですね。
スピード性能を高めるための最新の空力デザインは「TSR」ドライバーシリーズで取り入れられていますが、「TSR1」も同様のコンセプトで設計されていますので、スウィング中の空気抵抗が減ってボール初速が上がるメリットを体感できます。
本来、空気抵抗の低減はヘッドスピードが速いゴルファーの方がメリットがあるはずですが、「TSR1」はヘッドスピードが速くなくてもスピード感のある振り抜きを体感することができます。
打球感も心地良いですね。反発の良いチタンフェースらしい、軽く弾ける爽快な打球感です。
基本弾道は中・高弾道でややドロー回転の非常に安定した弾道です。バックスピン量は少なすぎず、ヘッドスピードが速くない方でも安定した弾道を実現してくれます。(10球平均でドロー450rpm、バックスピン量は2300rpm)
ヘッド挙動もかなり安定していますね。ドライバーヘッドは軽量にすると慣性モーメントは低くなりますので「TSR1」はタイトリストのヘッドの中で最大の慣性モーメントを、というわけにはいけませんが、このモデルのターゲットゴルファー対しては非常にバランスの良い慣性モーメントをもっていると思います。
ヘッドスピードが速くないプレーヤーでも振り抜きやすい重心距離と安定感を感じる慣性モーメント、これがじつに絶妙でボールの弾道をコントロールできる操作性を持っていながらも弾道がバラつきにくい。安定性が高いレベルでバランス良く仕上がっています。
一般的に軽量ドライバーは長めのレングスでも軽く振り抜けるのでヘッドスピードも上がりやすく、最大飛距離は出しやすいメリットがあるものの、弾道安定性に欠けるといったデメリットもありますが、「TSR1」は優れたヘッド設計で軽量ドライバーの不安な部分を感じさせない完成度ですね。
ズバリ、どんなゴルファーに合うかというと、ヘッドスピード36~42m/sくらいのスウィンガータイプの方。特にオススメしたいのは最近ヘッドスピードが落ちてきたと感じているゴルフ歴の長いゴルファーですね。
ツアーモデルに近いヘッドシェイプは構えにくさを感じることはないですし、ヘッドスピードが速くなくても速いボールスピードを可能にしてくれますので、操作感と安定感を犠牲にすることなく軽量ドライバーのメリットを最大限体感できると思います。
オリジナルシャフトにはLフレックスも用意されていますので、いつも180ヤードくらい飛ばせるレディスゴルファーにも使ってみて欲しいですね。