インパクトでパンチが入って、短いパットや下りで大オーバー。どうにも距離感が安定しないと嘆くゴルファーに向け、パッティング専門コーチ・橋本真和自宅のパターマットでできる効果抜群の簡単練習法を教えてもらった!

2022年のプロテストに合格した小暮千広をはじめジュニアからアマチュアゴルファーまでパッティング指導をしてきたパッティングコーチの橋本真和。埼玉県越谷市にある「越谷ゴルフリンクスプライベートスタジオ」で様々な計測器を使ってパッティングを研究する橋本コーチにパッティング上達のカギとなる自宅でできるコインを2枚使った練習ドリルを教えてもらった。

インパクトでパンチが入って短いパットや下りで大オーバー、想定外の3パットをしたことはないだろうか? もしあったら放置は禁物。いざというところでまたその症状が出る。

画像: 画像A パターヘッドのトップブレードのトウ側に1枚、フランジ部にも1枚のコインを乗せてボールを打つ。するとどのタイミングでヘッドの加速度が最大になるか体感できる

画像A パターヘッドのトップブレードのトウ側に1枚、フランジ部にも1枚のコインを乗せてボールを打つ。するとどのタイミングでヘッドの加速度が最大になるか体感できる

「インパクトで予想外にパンチが入るのは、ストロークで生じるヘッドの加速度に問題があるから。加速度はボールが転がる距離に直接反映されるので、適正に加速されないとタッチが合わないんです」と橋本真和コーチ(以下同)。

なぜパンチが入るのかといえば、インパクト直前にヘッドが急加速するから。確かにそんなストロークでいろいろな距離感を出すのは至難の業。そこで今回は、インパクトで急なパンチが入らないよう適正な加速が体感できる練習法を紹介してもらった。用意するのはコイン2枚だけだ。

「まずはヘッドの上にコインを1枚置いてそのままストロークします。ゆっくりテークバックするとコインは乗ったままですが、適度な加速度がつくとヘッドが動いた瞬間にコインが置いてきぼりになって落下します。実はこれが正解で、テークバックでもヘッドを加速させることが大事なのです」

画像: 画像B トップブレードのトウ側に置いたコインがテークバックで落ちるように始動することが正しい加速のタイミングだ

画像B トップブレードのトウ側に置いたコインがテークバックで落ちるように始動することが正しい加速のタイミングだ

ヘッドの後方に置いたコインは切り返しで置き去りにする

いわばテーブルクロス引き。下がサッと動くことで上に乗ったものが残されるというわけ。以前はコインを乗せたまま動くと言われていたが、それがインパクトでパンチが入る原因になっていたのである。

「これができるようになったらバックフェース側にもコインを置き、切り返したところでコインが真下に落ちるように振ります。トップでヘッドの速度はゼロになり、切り返し後は最下点に向かって速度が上がるのでコインは置き去りになります。こうなるとストロークで生じる加速度が一定になりインパクトでパンチが入りません。ほとんどのアマチュアの方は、これまでより相当速く振る感じになるはずです」

画像: 画像C トウ側とフランジ部にコインを乗せ、始動でトウのコインが落ち、切り返しでフランジのコインが落ちて、インパクトを迎えると正しく加速度が整った証拠になる

画像C トウ側とフランジ部にコインを乗せ、始動でトウのコインが落ち、切り返しでフランジのコインが落ちて、インパクトを迎えると正しく加速度が整った証拠になる

このドリルは加速度を適正にできるメリットがあると橋本コーチ。テークバックの始動で動き出すと同時にヘッドの加速度が最大になることでトウ側のコインが落ち、ヘッドは等速で動く。次にヘッドがカップ方向に切り返す瞬間に加速度は最大になることでフランジのコインが落とされ、インパクトに向けてヘッドは等速で動くというわけだ。

そもそもヘッドが加速しないとボールは飛ばないのでパンチは入るのだが、コインが乗ったままだったり、始動と切り返し以外のタイミングで落ちると想定外のパンチが入ったインパクトになる。テンポが遅くてパンチが入る人は2枚とも同じタイミングで落ちるということなので試してみよう。

ちなみにネオマレットパターの場合は、コインが上にしか乗らないのでフェース側とテール側に乗せる。また、ヘッドが大きいほどミート率が上がるためボールが飛ぶそうだ。

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