ゴルフには“スコアの壁”がつきもの。ビギナーを脱したアマチュアゴルファーに立ちはだかるのがスコア100の壁だ。これを乗り越え「100切り」を達成するにはどうすればいいか? プロゴルファー・兼濱開人が状況別に解説。今回は「無茶な攻めを防ぐための考え方」について教えてもらおう。

スコア100を切ることを目標にしていても、ついつい無理に攻め過ぎて打数がかさんでしまう、なんて経験はないだろうか。

極論を言えば全部セーフティにプレーすれば少なくとも無駄にスコアを落とすことはなくなるだろうが、かといって勝負できる場面でしなければスコアを伸ばすこともできなくなる。無茶なショットを避けるための「攻める・攻めないの線引き」はどうつけるべきなのだろう?

画像: 攻める・攻めないの線引きはどうつける?(写真はイメージ)

攻める・攻めないの線引きはどうつける?(写真はイメージ)

「攻める・攻めないの線引きをするためには、そもそも自分が何ができて何ができないかを元に戦略を立てることが大切です。そもそもセーフティの基準だってゴルファー自身のスキルによって当然変わりますからね。アマチュアからすれば攻めたプレーをしているように映るプロも、プロのレベルの中でのセーフティさが身についていて、それを基準にプレーしているわけです」(兼濱、以下同)

したがってまず考えるべきは自分ができること、とくに「自分のプレーの拠り所となる番手を知っておくことです」という。

「まずは自分が得意なクラブはどれで、どのぐらいの距離を打つのが得意なのかを知りましょう。全部の番手をまんべんなく上手くなろうとするのではなくて、自分の武器をちゃんと知っておくことが大事です。世界ランク1位の座に就いたことのあるダスティン・ジョンソンが、50ヤードのアプローチの打ち方を教えてと質問された際に『僕は50ヤードを残すことが絶対ないから打ち方かわからない』と答えている動画を見たことがあります。トッププロですら自分の得意を軸に戦術を立てて、それに沿わないことはやっていないわけなんです。過去の連載でも触れましたが、練習する本数を5本くらいに絞ってその5本で100を切ろうというくらいの気持ちがいいですね」

自分が得意な番手、その番手で打てる距離を把握したら、あとはそれを軸にマネジメントを組み立てればいい。そしてそのためには「事前にコースマップを見ておくことが大事です」と兼濱。

「自分ができることがはっきりとわかり、それを元にコースマップを見て戦略をあらかじめ立てていれば、少なくとも無茶な勝負は避けられるようになるでしょう。逆にそれができていないと、悪い意味で目の前の一打しか見えなくなってしまい、成功か失敗かの“ギャンブル”のようなショットを打つことになってしまうわけです」

そして、戦略を立てたうえで「数字にはあまりこだわらないことが上達につながると思います」という。

「もちろん100切りっていう1つの数字、目標も大事なんですけど、長期的な目で見てゴルフを上手くなろうと思うなら、自分のできることの中で戦略を練り、ラウンド中でマネジメント通りに達成できた回数がどれだけあったかを成長の指標にすることがスムーズに上手くなるための考え方ですね。そもそもコースによって同じ100切りでも価値って違うじゃないですか。なので数字に振り回されるとそこで浮き沈みしてしまい、心にも良くないと思います。今日の自分の評価を自分でできるようになるっていうのがやっぱり良いゴルファーですね」

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