顔の前で両手の輪っかを作って、片目を瞑りながら何かを見ていた原田コーチ。そして「ボクの利き目は左目なんです。このように皆さんも、自分の利き目をテストしてみましょう」と言う。
輪っかの中を両目で見たときの景色に比べると、左右どちらかの目を瞑ると視界がズレて見えるだろう。それは利き目ではないほうの目で見ているからで、そのときに瞑っていた目がその人の利き目となる。
「利き目が右か左かによって、構えたときのクラブの見え方も違いますが、スウィング中のボールの見方が変わってきます。利き目が右目の人は、バックスウィングで顔を右に向けるとボールがどんどん離れてしまい不安になるので、顔をほとんど動かさない方がスウィングは落ち着いてきます。逆に、左目が利き目の人は(ボール位置が真ん中寄りの場合)、アドレスで鼻越しにボールを見るようになります。バックスウィングで鼻筋を右に向けても左目でボールを捉えられるので、窮屈にならずクラブがスムーズに上がるでしょう」(原田コーチ、以下同)
人間には器用で動かしやすい利き手・利き足があるように、目にも利き目がある。望遠鏡や顕微鏡をのぞくときに見る目がそれだ。通常の視界は両目で見ているが、利き目を優先してピントを合わせているという。だからこそ利き目とスウィングは切り離せない。
「家でやるドリルとして、自分の利き目をチェックしてから、ボールを床に置いて片目を瞑り利き目で見ながら、シャドースウィングをしましょう。利き目が右目の人は、バックスウィングでずっと顔がボールを向いているように。そうではなく、顔を右に向けたり頭が右に寄り過ぎると、そこから利き目の右目でボールを追いかけようとして、インパクトにかけて左に突っ込んでしまいます。一方で、左目が利き目の人は、バックスウィングで鼻筋をやや右に向けましょう。顔の向きを正面にガチっと固めると、バックスウィングが詰まって上がらなくなってしまいます」
そして、バックスウィングで顔をやや右に向ける、左目が利き目の人に、こういうドリルも紹介して話を締めた。
「目線の高さにあるボールを、右目を閉じて左目で見ます。そうしたらバックスウィングをイメージして、顔を右に向けても、眼球はボールを見るように。顔が右回りをしても、眼球が動いてボールを見る感覚を覚えると、バックスウィングがスムーズに上がるようになるでしょう」