薄芝からのアプローチはザックリしやすい要注意ショット。しかし田村光正プロによればボール位置と体重配分を工夫すればザックリはほぼ防げるという。シングルハンディの腕前を持つイラストレーターの野村タケオが実際に試してみた!

みなさんこんにちは。ゴルフバカイラストレーターの野村タケオです。僕はあまり飛距離が出ないので、グリーン周りでスコアを作るタイプです。なので、ゴルフ雑誌を読んでいても、どうしてもアプローチの記事に目が行きます。

週刊ゴルフダイジェスト2/28号に「薄芝のぺたぺたライ 99%ダフらないアプローチ教えます!」という、かなり魅力的な記事がありました。99%ダフらないなんて、そんなことが可能なのでしょうか?いったいどういう打ち方なのでしょう? さっそくやってみることにしました!

画像: 週刊ゴルフダイジェスト2023/2/28号で特集されていた、薄芝でもザックリせずアプローチする方法を実践!

週刊ゴルフダイジェスト2023/2/28号で特集されていた、薄芝でもザックリせずアプローチする方法を実践!

この記事で指導してくれている田村光正プロによると、薄芝でのアプローチは状況判断がまず大事だということです。ボールが浮いているのか、芝の下の地面が硬いか、軟らかいかなどを見て、どういう打ち方をするのがベストかを判断するわけです。その判断がしっかりとできれば、もう8割成功したようなものですと田村プロは言っています。芝が浮いていれば普通にアプローチできるし、仮に芝が薄くても、その下の地面が硬ければそれほど難しくないということです。ただ、その場合はバウンスの大きいSWだと弾かれてしまうので、AWなどを使えばやさしく打てるということです。問題は沈み気味のライや地面が軟らかい時。そういうライの場合はどうしてもザックリしやすいのだとか。逆に言うと、そういうライで上手く打てるようになれば、ザックリはしなくなるということなんですね。

薄芝でのアプローチの基本はまずセットアップ。ボール位置を右に置きすぎないようにすることが大事なんだそうです。右足寄りにボールを置いたほうが当てやすい感じがして、アマチュアはどんどん右に置いてしまう傾向があるようです。しかし右に置けばハンドファーストが強くなり、バウンスよりもリーディングエッジが先に地面に当たりザックリしてしまいます。これがザックリの原因なんですね。

画像: ボールが右足前にあるとハンドファーストが強くなり、リーディングエッジが刺さりやすくなる

ボールが右足前にあるとハンドファーストが強くなり、リーディングエッジが刺さりやすくなる

薄芝でのアプローチの場合はボールを左足かかと線上くらいに置いたほうがいいということです。そうすることでハンドファーストも適度になり、バウンスから地面に接地するようになるので滑ってくれるんですね。これができるようになれば、ボール1個分くらい手前にクラブが落ちてもザックリしなくなるそうです。ここでのポイントはピッタリとボールと芝の間にクラブを入れようとしないこと。芝が薄いとそう考えてしまうのですが、バウンスから接地できれば手前に落ちても大丈夫だし、リーディングエッジがボールの下半分くらいに当たっていれば、ロフトがあるためにトップにはならないんです。そう考えるとかなり気持ちが楽になりますよね。

画像: ボールを左足かかと線上にすると、ハンドファーストはゆるくなり、バウンスから地面に当たるのでソールが滑る

ボールを左足かかと線上にすると、ハンドファーストはゆるくなり、バウンスから地面に当たるのでソールが滑る

そして大事なポイントがもうひとつ。アドレスした地点にヘッドを落としてくるために重要なのは体重配分です。アドレスで左足に6、右足に4という体重配分で構え、フィニッシュまで変えずに振るのが大事だと田村プロは言っています。スウィング中に体重が右足に乗ってしまうとあおり打ちに、左足への荷重が増えてしまうとヘッド軌道が鋭角になってしまいザックリのリスクが高くなってしまいます。ずっと左足に乗っておくことで、ゆるやかなダウンブローになるのでボールへのコンタクトがしやすくなるんですね。

そして打ち方のコツは左肩を支点にして、左腕とクラブが一体になるように動かすこと。できるだけ手首やフェース面の角度を変えないことを意識すると、ヘッドがアドレスの位置に戻ってきやすくなります。

画像: テークバックで右に体重が移動してしまうと、左に体重を戻す動きで上体が突っ込んだり、インパクトが不安定になる

テークバックで右に体重が移動してしまうと、左に体重を戻す動きで上体が突っ込んだり、インパクトが不安定になる

さっそくボール位置と体重配分を意識しながら打ってみました。左足かかと線上のボール位置は、いつものボール位置よりもけっこう左足寄りなので少し違和感があります。体重配分はいつも左足体重で打っているので違和感がありませんが、フィニッシュまでそのままの配分をキープするのはけっこう意識しないとダメですね。どうしてもテークバックで少し右足に体重が乗り気味になります。そうなってしまうとインパクトでまた左足に体重を移さなければならないので、上体が突っ込んでしまったり、ヘッドの戻る位置が不安定になったりします。

ボール位置左足かかと線上で、左:6、右:4の体重配分のまま打てると、たしかにソールが滑ってくれる感覚があります。さらに左肩支点で打つことを意識するとクラブの落ちる位置がかなり安定してミスになりにくいですね。わざとボール1個分ほど手前にクラブを落としてみましたが、ザックリすることはなかったです。ただ、さすがに距離感は狂ってしまいましたが、それでもザックリしてしまうよりはミスの幅はかなり少なくなりそうです。

画像: ボールの位置を左足寄りにして、左足体重のまま打つとバウンスが滑ってザックリにならない。けっこうシンプルで難しい打ち方ではない

ボールの位置を左足寄りにして、左足体重のまま打つとバウンスが滑ってザックリにならない。けっこうシンプルで難しい打ち方ではない

ボールの位置と体重配分に気をつけるだけなので、意外とシンプルな打ち方だと思います。この打ち方をマスターすればアプローチのバリエーションが増えて、グリーン周りが楽になるんじゃないでしょうか。特にバウンスを滑らすということがいまいちピンと来ない人は、この打ち方をやってみると良いと思います。

この記事には薄芝からボールをフワッと上げる「左ひじを引いてカット打ち」というのも解説されていますので、気になる方は週刊ゴルフダイジェストで確認してみてください。

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