コロナ禍の影響もあり、セルフプレーが主流となった昨今。ハウスキャディ付きでのラウンドの機会がめっきり減ったというアマチュアゴルファーは多いのではないだろうか。
そんな今だからこそ「マネジメントや知識の幅を広めるためにも、キャディ付きでラウンドするのはめちゃくちゃアリですね」と兼濱は言う。
「そもそもご時世やコスパ的な面で主流ではないだけで、キャディさんは基本的には、いたほうが絶対いいですね。キャディフィを払うだけの価値は絶対ありますよ、コースに精通していますからね。ただ、自分自身の成長のためにもプレー中にいくつか意識しておきたいことがあります」(兼濱、以下同)
まず大前提として「最終的な決定権は自分にあるということは意識しましょう」と兼濱。
「キャディの言った通り打って外したときに、それで心が波立つのは論外ですね。あくまで『どう打つか』を最終的に決めるのは自分ということを忘れないでください」
そのうえで「自分でマネジメントを考えてラウンドしながら、自分の判断について『どう思いますか?』と質問できればベストですね」という。
「たとえばパットのラインについて聞く際に『スライスに見えるんですけど、キャディさんはどう見えますか?』といったように、自分の考えが軸にあったうえでの質問をしてみましょう。するとコースを知り尽くしているキャディがその知識をもとに答えてくれることでしょう。そのやりとりで自分の感覚と、キャディならではの情報との擦り合わせができるわけです」
自分の判断が合っているかどうかをラウンド中に他の人と確認できるのは大きい要素。しかもコースに対する知識が豊富なのであればなおさらだ。「意見が合致したならそれでいいですし、もし違う意見が出てくればその会話が経験値となって、コースやマネジメントの見方が広がるわけです」と兼濱は言う。
一方で、キャディのやるべき仕事上“仕方がないデメリット”もあるという。
「キャディさんのマネジメント面でやるべき仕事は、そのコースで気を付けるべきポイントを伝えること。どちちかというと攻めるのではなくリスクを避けられるように情報を伝えるわけです。たとえばティーショットなら『左にOBがあって、右はワンペナなので気を付けてくださいね』といったように。でもネガティブな情報が入ってくると、どうしてもショットに嫌なイメージが付くというデメリットもあります」
知らなければ気持ち良く打てていたかもしれないが、リスクを避けるための助言が仕事である以上仕方がないこと。なので「『だけど自分がやるべきことはこれだな』と、自分がやるべきことにフォーカスすること、そのためにマインドを切り替えられることが重要ですよ」と兼濱は言う。
とはいえ、キャディの知識やアドバイスを通じて、自身のゴルフに対する理解やマネジメントの幅を広げるチャンスなのは間違いない。最近セルフプレーばかりだな、というゴルファーは一度キャディさん付きでのラウンドを試してみては?