みなさんこんにちは。ゴルフバカイラストレーターの野村タケオです。テレビで女子ツアーの中継を観ていて思うのですが、最近の女子選手は飛びますよね。ランも含めると240~250ヤードくらい飛ばす選手がゴロゴロいます。やっぱり女子ツアーの世界も飛ばないとなかなかスコアを出せない時代になっているということですね。
でもね、220ヤードくらいしか飛ばなくても、優勝して、シードも8年連続でキープしている選手がいるんです。それが青木瀬令奈プロ。青木プロは2022年平均パット1位、3パット率2位ということで、彼女のゴルフを支えているのがパッティングだということが分かります。
そんな青木プロのパッティング技術が月刊ゴルフダイジェスト4月号の「距離感ピッタリ! 魔法のパッティング」という記事に書かれていました。その中から青木プロの距離感の合わせ方が気になったので、やってみることにしました。
青木プロによると、距離感は「初速」でつくるそうです。振り幅で距離感を合わせる人って多いと思うのですが、青木プロはパターを頻繁に変えるそうなので、振り幅で距離感をつくってしまうとインサートの違いで狂ってしまうということなんですね。初速で距離感を合わせるためには、初速のスピードをイメージすることが大事だそうです。スピードがしっかりイメージできると距離感が合いやすくなるということですが、そのためには安定した初速で打てることが大事です。そのために青木プロが意識していることのひとつめが「アッパー軌道でロフト通りのインパクト」だそうです。
ロフトを変えずにアッパー軌道で打てると、順回転でスムーズが転がりを生み出すことができ、初速のスピードが安定することで距離感も合うということなんです。ではどこを意識すればアッパー軌道で打てるのでしょうか? そのためには「ヘッドの運動量を多くする」ということが大事だそうです。青木プロは、ほうきで掃く動きをイメージしてストロークしているのだとか。ストロークで手元が動きすぎるとヘッドの運動量が減ってしまうので注意が必要です。
青木プロがアッパー軌道で打つためにイメージしていることがもうひとつあるそうです。それが「ボールの赤道を少し傾ける」こと。インパクトでボールの赤道を打つイメージだと、平行に当てようとしてしまいがちなので、赤道を少し斜めに傾けてイメージするとアッパー軌道に当てやすくなるということです。
初速を安定させる2つ目が「左手首とクラブを一直線にする」です。ヘッドの運動量を上げるために手首を使ってしまうのはNGなんです。手首を使うと軌道もインパクトのロフト角も安定しなくなってしまいますからね。アドレス時の左腕とグリップ部の形を変えずにストロークすることが大事です。
青木プロはクロスハンドグリップなので、左手首とクラブが一直線になりますが、順手でグリップしている僕は一直線にはなりません。なので、左手の甲側にできた角度を変えないように意識すると同じような効果があるんじゃないかと。
そして3つ目の「首を長くしてストローク」です。これは肩に力を入れないという意味です。肩に力が入ってしまうとヘッドのスムーズな動きが邪魔されてしまいます。首を長くするつもりで両肩をストンと落とした状態でストロークするのがいいようです。
さっそくこれらの初速を安定させるコツを意識しながらパットしてみました。まずアドレスでは両肩の力を抜き、首を長くする感じで構えます。ボールの斜めの赤道をイメージしながらほうきで掃くようにアッパー軌道で打ちます。左手首の甲側の角度をキープしたままで、手首を使わないように。
やってみると、たしかにボールの転がりは、かなりいい感じです。スムーズな順回転で転がっているような気がします。ボールの赤道が傾いているというのがけっこうイメージしやすくて、アッパーに打ちやすかったですね。ただ、手を動かしすぎずにアッパー軌道に打とうとすると、インパクトでロフトが増え過ぎたり、フェースの下っ面に当たりがちになります。そうするとボールの回転が少し悪くなるし、初速も安定しません。アッパー軌道ながら、ロフト通りにインパクトする練習は少し必要かもしれませんね。
あと基本として、ストローク中は頭を固定して上体が起き上がらないようにすることも大事です。どうしてもアマチュアは結果が見たくて、すぐに上体が起きてしまいがち。テレビでプロのパットを観ていると、インパクトしてボールが少し転がり始めてから顔を上げています。これはショットでもパットでも大事なんですね。
青木瀬令奈プロが距離感を合わすためにやっている「初速を安定させる」打ち方をやってみました。どれもけっこう基本的なことではありますが、こういうことがきっちりをできているからこそ平均パットが1位になれるんですね。僕もできるだけマネしてみたいな~と思いました。