クラブフィッターの小倉です。今回はグリップについてです。一時期ブームで何度か注目された太めのグリップですが、最近は一定のお客様にご指定いただくことが増えてきました。
太めのグリップは、ツアープロが使用して活躍する度に話題にはなるのですが、なかなか定着するまでにはいきませんでした。握り心地が大きく変わるのはもちろん、一般的なグリップより重くなることが多いため、振り心地にも影響するため、馴染みにくかったのでしょう。
少しずつですが、太めのグリップが定着し始めたのは、最近のクラブとの相性が良いからなのでは？と勝手な分析をしています。最近のクラブの傾向は、あまりヘッドをターンさせず、直進性の高い球を追求した仕様になっています。
これはドライバーに限らず、どのジャンルのクラブもその傾向にあります。そういったクラブには、リストの使い過ぎを抑制する太めのグリップがマッチしているのでしょう。またかなり太めのグリップでも重量増を抑えたモデルも少しずつ増えてきています。そういった点からも、太めグリップの需要が高まっているでしょう。
太めのグリップは、前述したとおりリストの使い過ぎを抑制するため、打点が安定しないゴルファーや、左へのミスが多いゴルファーにオススメです。個人的には、強く握ってしまう方にも良いと思っています。適度なアバウトさが出るので、力み軽減に効果的です。
太めのグリップに変える際に気を付けたいのが重量です。現在装着しているグリップより重くなることが多いですが、どのくらい重くなるかによって、振り心地に影響する度合いが変わります。交換する前に、現在のグリップの重量とこれからつける予定のグリップの重量を調べ、どのくらい変わるのかをチェックしてみてください。
10g以内であれば、影響はありますが、そこまで気にする必要はないでしょう。10gを超えてくるとバランスも変わり、まったく違う振り心地になってしまう可能性が高いですから、気になる方は、交換前にショップの方などに相談してみてください。
特に軽量を売りにしているクラブは、純正で軽量のグリップが入っていることがほとんどです。そういったクラブに太めのグリップを入れると、30gぐらい重量が増加してしまう可能性もあります。
重さは変えたくないけど、太めのグリップを試してみたいという方は、グリップは変えずに下巻きテープの量を増やすといった方法もあります。テープの巻く量に伴って重量増はありますが、比較的重さを抑えつつ、ある程度太くすることができますよ。
「打点が安定しないゴルファーや左へのミスが多いゴルファーにおすすめしたいですね」（小倉）
