行き当たりばったりのプレーをせずスコアを積み上げていくためには「事前にコースレイアウトを確認してどのように各ホールを攻略をしていくか」=「コースマネジメント」を考えて、ラウンドに臨むことが大切だ。
このコースマネジメントを考えるうえで肝となるのが「自分のプレーのパフォーマンスをどう想定するか」。兼濱は「まずすべてのショットで最高を想定するのは現実的ではないですよね」という。
「タイガー・ウッズでさえ、1試合4日間で最高のティーショットは3回くらいしかない、っていうくらいです。自分の中で一番上振れしているときのパフォーマンスで想像するのはよくないですね」(兼濱、以下同)
もちろん実際のラウンドでは、上振れすることもあるが「そんなときこそ注意が必要ですよ」と兼濱は続ける。
「僕自身のゴルフの話になっちゃいますけど、崩れるパターンって大体一緒で、最高のショットを打ったあとなんですよ。なぜかというと、いいプレーが出たことで自分の中の基準が上がってしまうから。イメージが最高のショットに塗り替えられて、次のホールから適正な感覚がわからなくなるんですね」
だからこそ、本番で出るかもわからない“最高”は想定すべきではないし、仮に最高のショットがラウンド中に出たとしても「すぐに忘れて、気持ちを切り替えることが大事ですよ」と兼濱。
かといって逆に最悪のパターン、失敗したときのことばかりを想定していてもプレー前からネガティブになってしまうだろう。兼濱はズバリ「最高でも最悪でもなく、ベターなショットを想定しましょう」という。
「よく僕がラウンドレッスンでお客様に最初伝えるのは『ナイスショットを一回も打たずにいいスコアで上がることができる』のがコースマネジメントの考え方だということです。最高でも最悪でもない、“ベター”なショットの積み重ねで自分の描いてるスコアに近づくっていうのがマネジメントの秘訣ですよ」
もちろんプロの世界なら「ここだけは絶対決めなきゃいけない」「ナイスショットを出さなければ優勝には近づけない」という状況はあるが、アマチュアにとっては100点満点のショットは不必要。最悪を避けてベターなショットでのラウンドをとことん突き詰めて上達していけば「パープレーくらいまでなら出せるはずです」という。
今までマネジメントを考える際に漠然と好調なときの自分を想定していたり、あるいは失敗したときのことばかり考えていたゴルファーは、一度“それなり”のショットをベースに戦略を立ててみてほしい。