人気女子プロゴルファーのイ・ボミ(34歳)が、今シーズンで日本ツアーを引退することを所属先の延田エンタープライズが2月27日に発表し、開幕戦のダイキンオーキッドレディスに出場した。初日は44位、2日目は62位で惜しくも予選通過はならなかった。10月のマスターズGCレディースが引退試合になるという。
画像: 開幕戦で笑顔を見せるイ・ボミ。次戦はアクサレディスを予定している(撮影/大澤進二)

開幕戦で笑顔を見せるイ・ボミ。次戦はアクサレディスを予定している(撮影/大澤進二)

長らく女子ツアーの中心選手として活躍してきたボミとあって、引退を惜しむ声は多いだろう。まずは本人による引退コメントを紹介する。

こんにちはイ・ボミです。

23年シーズンが始まりますね。

私は今年、日本ツアー最後のシーズンを過ごそうとしています。JLPGAに2011年に初めて挑戦して13年目になりました。振り返ると、とても長い時間だったと思うし誰よりも楽しく幸せにツアー生活を送りました。多くの方々の助けのお陰で、これまでのシーズンを健康に最善を尽くせたことに心より感謝申し上げます。心配事なく試合だけに集中できるよう、 手厚いサポートをしてくださったスポンサーの方々、多くの瞬間を共にしてくださったファンの皆様、家族のようなスタッフたち、そして競争の中でも共感できる仲になってくれたJLPGA選手たちにも心から感謝します。

日本ツアー引退を決めるまで 本当にたくさん悩みましたが最後のシーズンは私を応援してくださる 多くの方々と幸せな瞬間を逃すことも心残りもなく、楽しく終えたくて シーズン前にこうやって発表することになりました。

本当にたくさんの愛をくださって とても幸せでした。

今シーズンも幸せに日本ツアー選手生活に集中して最善を尽くす姿をお見せします。

本当にありがとうございます。

1988年に韓国で生まれたボミ。12歳の頃に両親の勧めでゴルフを始め、2007年に韓国でプロ転向する。10年には韓国ツアーで3勝を挙げ、賞金女王を獲得。年間最多勝、最優秀選手、最小ストロークを加えると4冠達成だ。

そして同年12月、華々しい戦績を引っさげて日本ツアーのファイナルQTに臨み、10位で翌年の出場権を手にした。

日本ツアー初参戦となった11年は、韓国ツアーにも出場しながら賞金ランキング40位に入り、初の賞金シードを決める。

12年3月、開幕第2戦の「ヨコハマタイヤゴルフトーナメントPRGRレディスカップ」で待望のツアー初優勝。11月の「伊藤園レディスゴルフトーナメント」、そしてツアー最終戦の公式戦「LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」も制し、賞金ランク2位につけた。

13年は公式戦2冠目となる「日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯」など2勝、14年も3勝し、ツアーでの存在感は高まる一方。そして、15年にピークを迎える。

32試合に出場して7勝。19試合でベスト5に入る安定ぶりで、初の賞金女王を獲得する。

年間獲得賞金は2億3049万7057円に達し、男子の歴代最高額をも超えて日本ツアー新記録となったのだ(当時)。

翌16年も5勝を重ね、堂々の女王連覇。成績のみならず、愛くるしいルックスに”スマイル・キャンディ”とも呼ばれた明るい笑顔、それに巧みに日本語を操るコミュニケーション力も相まって、誰もが認める女子ツアーの主役に上り詰めた。

だが、その後はショットの不振に悩まされ、17年は1勝のみ。18年には賞金シードを手放すなど、不本意なシーズンが続いていた。

ボミは開幕戦ダイキンオーキッドレディスの練習ラウンドを終えた2月28日に会見。

「18年からショットやスウィングに悩みが出てきて、そこから自分のプレーがあまりできなかった」

「賞金女王に2回なった後の目標がなかった」

「性格的に競うことがあまり好きじゃない。ゴルフが大好きだから試合を頑張っていただけ」

「ゴルフを始めたときから28歳まで頑張ろうと思っていたので、けっこう長くできたと思う」

と、頂点を極めた以降の苦悩を語った。

プライベートでは19年12月に韓国の俳優イ・ワン氏と結婚。引退後はプライベートの時間を取りながら、引き続きゴルフ界で活動をしていく予定だという。

現時点で確定している今後の出場予定試合は以下の通り。

3月24日~26日 アクサレディスゴルフトーナメントin MIYAZAKI

6月22日~6月25日 アース・モンダミンカップ

10月19日~10月22日 NOBUTA GROUPマスターズGCレディース

テレビでも、会場でも、ボミの勇姿をしっかり焼き付けよう。

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