黄金世代12人目の勝者となった吉本ひかる。手打ちから体で打つことに取り組んで、つかんだ初勝利。そのスウィングをみんなのゴルフダイジェスト編集部員でプロゴルファーの中村修が解説。

昨年末のQTを28位で通過し、先週の開幕戦「ダイキンオーキッドレディス」では強風の中18位とそれなりの手応えを感じていた吉本選手。今週は温暖で風もなかったこと、開幕戦の開催コース琉球GCのセッティングは6560ヤード、今大会の土佐CCは6228ヤードとセッティングの違いも味方につけての初優勝となりました。

スタッツを見てみると、初日はパーオンを12/18とし3アンダーの14位でスタートを切ります。2日目はパーオン18/18で66と伸ばし一気に首位タイに。3日目のパーオンは17/18の65でプレーし、16アンダーまでスコアを伸ばし2打差の単独首位へ。最終日のパーオンは15/18の69でプレーし、ささきしょうこ選手とのプレーオフの末初優勝を手にしました。4日間トータルのパーオン率86.1%と抜群の安定感が光りました。

画像: 「明治安田生命レディス」で黄金世代12人目の初優勝を飾った吉本ひかる(写真/姉崎正)

「明治安田生命レディス」で黄金世代12人目の初優勝を飾った吉本ひかる(写真/姉崎正)

優勝会見で話していた、トレーニングを含めた手打ちから体で打つスウィングへ改善したというスウィングを見てみましょう。画像AとBで21年7月(左)と先週の画像(右)を比較してみました。左腕が地面と平行になる位置での違いはわずかですが、先週の右の画像では左肩があごの下までしっかりと入っています。

画像: 画像A 2021年の写真(左)と先週開幕戦の写真(右)とを比べるとテークバックの早い段階で背中や胸のターンが深くなっていることが見て取れる(写真/岡沢裕行(左)、大澤進二(右))

画像A 2021年の写真(左)と先週開幕戦の写真(右)とを比べるとテークバックの早い段階で背中や胸のターンが深くなっていることが見て取れる(写真/岡沢裕行(左)、大澤進二(右))

画像Bのトップの位置では大きな違いが見て取れます。体の正面から手元が外れ、手打ちだったことで、手や腕の運動量が多くなりオーバースウィングになっていました。トレーニングで体の使い方を学んだだけでなく、わきを締めたハーフショットなどの基礎練習も積み重ねたのは間違いないでしょう。このオフだけでなく時間をかけて取り組んできた結果がスウィングにも成績にも表れたのだと思います。

画像: 画像B テークバックのわずかな違いがトップでは大きな違いになって表れている(写真/岡沢裕行(左)、大澤進二(右))

画像B テークバックのわずかな違いがトップでは大きな違いになって表れている(写真/岡沢裕行(左)、大澤進二(右))

吉本選手の場合、トップの形を修正したのではなく、手打ちから体で振るスウィングへと取り組んだことで結果的にスウィングの形も大きく変わりました。

スウィングの形を変える、スウィング改造には特効薬はなく、基礎練習を積み重ねることが大切な要素であると教えてくれたのが吉本ひかる選手の今回の優勝だったのではないでしょうか。次週以降も注目していきましょう。

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