まず、ボールへのこだわりに「へえ」の声が上がった。
テーラーメイドの最新ボールを選ぶ場合、飛距離重視なら「TP5x」、アプローチ重視なら「TP5」を選ぶゴルファーは多いが……。「TP5」を使う中島は、
「アイアンの距離感が合いやすいほうを選びました」
ボール選びの基準はアイアンだという。
「『5x』(ファイブエックス)は少し打感が硬く感じて、ドライバーの飛距離は『5x』のほうが出やすいですが、『5』(ファイブ)は(打感が)柔らかく、距離感が合いやすい。よりスピンも入りやすいです」
中島のボール選びは、アイアン重視だが、
「ショートゲームも大事です。(ウェッジも)ボールテストをして選んでほしいです」
と、中島と同じ「TP5」を使うユーザーには、ウェッジでのテストを勧めていた。
次に、ふだんの練習の話になると、中島の練習法に、ファンがざわつく。
「練習の球数は少ないほうで、試合がない日でも100球前後で、60%以上がショートゲームです。練習場をコースと想定して、苦手なコースをイメージしながら、ドライバーを打って、アイアンを打って、より実戦に近い練習です」
球数の少なさにファンも驚いた様子だったが、それ以上に意外だったのが100球の配分だ。
「100ヤード以内を50球打ちます。一番好きな番手は8番アイアンです。(50球の残りを)たとえば偶数の日は偶数のアイアン、奇数の日は奇数のアイアンを打って……」
少ない球数ながら、日付によって練習番手を決めるのが中島流だ。
また、ナショナルチームで学んだというラウンド中のメンタルコントロール術が中島の練習に欠かせないものだった。
「ゴルフは個人競技でも相手がいるスポーツ。相手や周りにイライラをなるべく見せないようにしています。喜んでいるのも怒っているのもバレないように、つねに冷静さを保つようにプレーします。(イライラを抑えるために)頭のなかに壺を想い浮かべて、いやなことはその壺にしまってプレーして、終わったら壺から出して反省して練習します」
中島の練習は、試合前にコースをイメージして、試合後はラウンド中の反省点を克服するというもの。
意外な練習法が中島の強さの源になっているのが、トークショーで垣間見えた。
中島は今年米ツアーに参戦し、3試合中1試合予選通過。アメリカ実戦で得た反省点も練習に生かしているはずだ。
およそ2週間ほどで、男子ツアーが開幕する。
こだわりで選択したボールとより実戦的な練習法で、初戦の東建ホームメイトカップ(3月30日~4月2日・東建多度CC)からスタートダッシュを決めてほしい。