今回のコラムはヘッドスピードの速い方やハードヒッターの方にはあまり関係ないでしょう。あくまでも一般的なアベレージのアマチュアゴルファー向けの内容のコラムになります。
先日、シャフトフィッティングでご来店頂いたお客様にシャフトを選ばせて頂きました。ヘッドスピードは平均で40m/s前後、ゴルファーのタイプで言うと所属するクラブの競技に出てゴルフを楽しむ50代の方でした。
まずはお客様が現在使っているシャフトでスウィングをチェックしました。軌道はアウトサイドイン。トップからの切り返しではタメを作らずフィニッシュまで振り抜くイメージのスウィンガータイプです。
お客様からのリクエストはというとドライバー、ドライバーショットをもっと安定させて、所属するコースでもうひとつ上のクラスを目指したいとのことでした。
現在使用中のシャフトは手元側の剛性を高くしたことでシャフト先端部分に動きが出るタイプ、いわゆる「走り系」に分類される50グラム台の先調子、フレックスはSでした。
もともとスライスが多かったので、ゴルフ仲間が「このシャフト、ボールがつかまりやすくていいよ」というので使ってみたら「左への引っかけが出て、今は左右どちらにもミスが出て、前よりもバラつきが多くなってしまった」とのことでした。
私の見立てでは左右のバラツキの原因はシャフトにあり。お客様のスウィングに対して、いまのシャフトの手元側が硬いことで、切り返しがうまくできずにアウトサイドインのスウィングになっていると判断させて頂きました。
お客様のリクエストに応えることができそうなシャフトを装着しました。そのシャフトは三菱ケミカル「ディアマナGT50」、フレックスはRです。
お客様にシャフトをお渡しした際、こう言われました。
「ディアマナですか? 硬さはなんですか? Sですか? 自分のまわりにディアマナを入れている仲間は少ないですがディアマナって難しいシャフトなんじゃないですか?」
確かに「ディアマナ」シリーズを使っているゴルファーはアマチュアの中でもヘッドスピードが速い人や競技志向の上級者が目立っている感じがありますので、アベレージゴルファーとっては少しハードルが高いシャフトのイメージがあるかもしれません。
「まずはフレックスも気にせずに打ってみて下さい」とお客様に打って頂くと、一発目からトップからの切り返しのタイミングが明らかに変わり、アウトサイドインの軌道が修正されて理想的なシャフトプレーンになりました。繰り返し打っていてもトップからの切り返しのタイミングは変わらず、再現性の高いスウィングになったことでクラブの振り抜くスピードも変わりました。インパクトも安定してつかまりもよくなり、弾道のバラつきも減りました。
お客様からは「想像していたよりも全然振りやすく打ちやすいです。Rって打ったことはなかったですが、振りやすいですね、自分にはちょうど良い感じです」と、「ディアマナGT50」のフレックスRを気にいって頂き、購入して頂きました。
今回お客様のリクエストに応えるために選んだシャフトのポイントは3つ。
一つ目は理想的な切り返しをイメージしやすい元調子系のシャフトということ。
二つ目はもともとスライスするお客様には先端部の動きを出してボールのつかまりをよくすること。
三つ目は一番重要で、お客様が振りやすく感じ、スウィングが安定すること。これによってミート率がよくなります。
前置きが長くなりましたが(笑)、今回は何をお伝えしたいかというとプロ・アスリート向けのシャフトである「ディアマナ」を一般的なヘッドスピードのアマチュアゴルファーが使うならぜひRフレックスを試してみては? ということです!
「ディアマナ」シリーズをハードで難しく感じる理由のひとつがほとんどの場合Sフレックスで試打して判断しているということがあります。
メーカー主催の試打会などでは様々なフレックスを試すことができますが、店舗で打つことのできるシャフトはSフレックスの場合が多く、Sフレックスのみで判断すると確かにしっかりしたハードなシャフトに感じると思います。
ご存じの方もいると思いますが、歴代「ディアマナ」シリーズにはフレックスRがラインナップされてあり、ゴルフを楽しむことを主としているカジュアルゴルファーにも使いやすいようなっています。
もちろんディアマナもモデルが数種類ラインナップされていてシャフトごとにそれぞれの特性を持っていますが、ほとんどが「MID- HIGH」の中元調子の表記がされています。Sフレックスだと硬く感じてしまいシャフトの違いが分かりにくい方にもRフレックスから選ぶことでシャフトの特性もより分かりやすくなると思いますよ。